アネクイナの後継者

五つ爪、ちょうどいいところに来たわ

カミラ女王が、リンメン宮殿へ至急来るようにって。あなたの協力が必要なようね

言われたことより、言われてないことのほうが大事でしょ？ 例えば、女王はたてがみが使者を送って、本当にアネクイナの後継者かどうか確かめようとしたことを黙ってた

ドラゴンと奇妙な蝕についても、女王は沈黙を守ってるわね

リルサジくらいの密偵になるとね、秘密が勝手に暴かれるの。まるで毛を繕うみたいにね！

この者が思うに、女王は行方不明の兵士たちを心配してる。まだ月の門から帰ってこないの。まあ、リルサジが知ってるべきではないんだけどね

危険は去ったようね。ほとんど。まだドラゴンが何匹か暴れてて、ユーラクシア軍の奇襲もたまにある。でもリンメンは解放されて、僭女王は死んだ

あなたのおかげでしょう？

疲れてるし、心配してる。行方不明の兵士のことを案じてるわ。友人たちのことも心配してる。あの大きなアデプト。ガレシュ・リ卿。インペリアルのカロ長官さえも

彼らが無事だとわかるまでは休まないでしょうね

協力に感謝します。ガレシュ・リや他の者に起きたことを確かめ、報告してほしいのです

その間、私は少し休みます。たてがみの使者と会い、他のドラゴンについて心配するのは、その後にしましょう

まだまだです。でも、カールグロンティードとムラームニルがいなければ、奴らは無計画で孤立した獣にすぎません

巨大で危険ではありますが、統制のとれた圧倒的な軍勢ではないのです

五つ爪。カジートにとって、神話と歴史はほとんど同じなのです

ユーラクシアがクンザ・リの物語を見つけて〈裏切り者〉の頭に辿りついたのか、ズモグ・フームが頭を生き返らせて物語を知ったのかは、わかりません

よく来たな、五つ爪。帰還したばかりで女王への報告もまだできていない。カミラは無事なのだろう？ 月が動いて蝕が終わったのは見たが、月の門に入った後のことは聞いていない

ドラゴンの爆風に巻き込まれたあと、ザマラクが私の傷の手当をして、上の尾根を守る兵士の指揮を執った

申し訳ないが、その後の私はほとんど意識がもうろうとしていた

まだ自分が生きていることやリンメンに帰還できたことは嬉しい。これは奇跡だ。街が解放されてよかった

月の門で実際に起きたことを知りたいなら、ザマラクとカロ長官に聞いてくれ

私よりも治癒師を必要としている者が部隊にいる。何時間か治癒の泉に浸かれば、力を回復するはずだ

まあ、私にも必要だ。カミラを助け、アネクイナに過去の栄光を取り戻すためには、やるべきことがたくさんある

月の門を守った兵士のことは、月の歌い手に語らせよう。カジートもインペリアルも共にな

とりあえず今はザマラクやカロと話してくれ。彼らの口から、戦いのことを聞いて欲しい

よく来てくれたな。ドラゴンが月の門に入り、お前が追った時はもう終わりだと思った。しかし月が分かれた途端に、心配は消えた

お前の予想通りだ。群れをなすユーラクシア軍と死霊術師を退け、可能な限りドラゴンを遠ざけた

味方の兵士たちを率いて、砂漠の風を四肢と爪の間に流した

ああ、カジートの民兵とシグナス不正規兵がな。月が分かれると、ユーラクシア軍は攻撃をやめて散り散りになった

残党は面倒ではあるが、もはや王国の脅威にはならない

ザマラクは確信を持てない。ユーラクシアの部隊とは主に上の尾根で戦った。カロ長官がバリスタ部隊を指揮していたから、より詳しく教えてくれるだろう

月が分かれ始めて、怒ったドラゴンが咆えながら飛び去ったことは確かだ

ザマラクは女王カミラの爪として仕え、かつて訓練したように玉座を守りたい

たとえそれが叶わなくても、ガレシュ・リはエルスウェアの生活を向上させる計画をたくさん用意している。この者は喜んで、できる限り支援しよう

リンメンの解放を見られてよかった。大きな代償を払ったが、その価値はあった

うん？ ああ、君か。まだ命があるようでよかった。ようやく月が分かれたが、君のおかげだろう？

少し待ってくれ。報告書を完成させなくちゃならないんだ。まだ記憶が新しい内に書き留めたほうがいいからな

報告書にある通りさ。私たちは門を守るため勇敢に戦った。優れたカジートやインペリアルの兵士の多くを失ったが、なんとか最後まで守りきった

私たちは、ユーラクシアの兵を大量に倒し、月が分かれるまでドラゴンを食い止めたんだ

ああ、あれがなければ生き残れなかった！ 月が分かれると、ドラゴンたちの結束が乱れ、力を失うのがわかった。目的を失ったからだろう。ドラゴンたちは攻撃をやめて飛び去っていったのさ

力も装備もぎりぎりだった、まさに枯渇する寸前だった

ザマラクの攻撃を生き延びた連中も、ドラゴンが戦場を離れると戦意を失った。サンドローチのように散り散りになり、四方へ逃げ去っていったよ

今後はカジートの民兵たちの脅威にはならないだろう

ユーラクシアと傭兵たちが残した傷跡は、簡単に消えない

私は不正規兵ともども、カミラ女王とガレシュ・リ卿に仕えようと思う。彼らなら、私たちを考えうる最良の目的のために使ってくれるはずさ

必要ならば。でも、それだけじゃない。シグナス不正規兵の大半は、軍の技術者であり斥候であり、訓練教官なんだ。王国が再建を急務とする今、私たちは剣や盾だけでなく多くのものを提供できる

そもそも、エルスウェアの視察と支援が私たちの当初の任務だったしな

すぐカミラ女王へ報告書の写しを送ろう。ドラゴンと近代的な軍隊の戦いを記したものだ。これにより今後の訓練計画や戦略が、大幅に進歩するだろう！

よそ者よ、そなたに話がある

この者は、またアネクイナの首都へ来られると思っていなかった。民兵の勝利は願っていたが、僭女王相手に勝ち目がないと思っていたのだ

カシアの理解によれば、そなたはこの件で大活躍したようだな

実に驚くべきことを成し遂げてきたのだな！ 祝福されたジョーデに触れたなんて、この者は感激に震える！

あれだけのことがあったから、たてがみは次に何が起こるか判断するためこの者を送り込んだ。たてがみの代弁者、ガレシュ・リ卿はどこにいる？

治癒師？ この者は代弁者が重傷でないことを願っている

まず、我々はアネクイナの後継者の件を解決しなければ。カシアはカミラが正当な王位後継者かどうかを判断し、正当であるのなら彼女の主張を認める

確かにそうだ。だが主張だけなら誰にでもできる。カジートに受け入れられるには、たてがみの承認が必要だ

ガレシュ・リは体調が思わしくないか。なら、そなたにカミラの後継者の立場を保証してほしい。協力してくれるなら、彼女に会う準備ができていると伝えてくれ

カミラの元へ戻る前に、もう一つ頼みがある

カシアはたてがみからアブナー・サルン宛ての封書を預かっている。だが彼は面会を拒否した。そなたは彼と親しいのだろう？ 手紙を渡してほしい

理由はサルンしか知らない。だが、この者は人工的な蝕と、それがカジート社会へ及ぼした影響についての手紙だと考えている

月はその下に生まれたカジートを支配している。偽の蝕の間に生まれた者にとって、それがどんな意味を持つと思う？

蝕の原因が何であれ、ジョーンとジョーデが融合することに我々は意味を見出す。自然に発生すれば、その時に生まれた子供が次のたてがみになるのだ。だが、これが偽の蝕だったならどうだ？ 継承が懸案事項になるだろう？

たてがみは、サルンがこのアルケインの意味を説明してくれることを願っているのだ

たてがみが複数の場所へ同時に行くことはできない。だから代弁者や大使がいる。今のところ、アネクイナの問題はたてがみの仕事ではない。だが、たてがみがエルスウェアのあらゆる場所を気にかけていることは知っておいてくれ

さて。アブナー・サルンに手紙を届けてくれるか？

アブナー、式典までは残るんだぞ。可愛い猫が王冠を受け取るなんて、そう見れんからな！

式典などくだらん。それとアブナーと呼ぶな。長居し過ぎたようだ、潮時だよ

奴に常識を教えてやれ！ 夜のコソ泥のように逃げ出すのは許さんぞ。みっともない！ そのうえ無礼だ！ あれがなければ賢い奴なのに、いったい何を考えているんだ！

貴様もキャドウェルも、ひとりでは行かせてくれないのだな

誰にも悟られずに、リンメンを抜け出す計画だったのだぞ。まあ、憤怒の石の件以来、私の計画通りにはほとんど進んでいないのだがな

感傷的になったのではないし、まだ見ぬ光景や環境に心惹かれている訳でもない。私はこのエルスウェアで、限界を教えられた。私はもう、若かりし頃の魔闘士ではないのだ

それに私はパーティーが嫌いだ。おしゃべり、スピーチ、カナッペ… 何もかも下らん、耐えがたい

あの素晴らしき女傑が指導者になる姿を、私は既にこの目で見ている。あいつはもう女王だ。これからやる戴冠式は単なる… 儀式、さ

ここには長居した。もう十分だろう。貴様は今回の旅の友として、本当に有能であったぞ。また貴様を呼ぶ日がくるだろう

作られた蝕の折に生まれたカジートは、たてがみの継承者足るのか、か。面白い。私の疑いを裏付けるものだ。すぐにペレタインに向かおう

貴様とはきっとまた会うことになるだろう。その時まで、さらばだ

大きな戦果はあげたが、まだ我々はカールグロンティードを倒していない。南からの報告を調査しなければ

しかし、貴様の仕事は女王の戴冠だ！ キャドウェルが馬鹿な真似をしないよう見張っておけ。それから、カミラには… よくやった、と伝えてくれ

死体を目にしていない以上、カールグロンティードは我々と同様にジョーデを脱出したと考えるのが自然だ。月が並んでいた時、力をたくさん吸収したのだからな

確証が持てたら、貴様にも教えよう

アブナーはたてがみから新たな冒険を頼まれたのか？ ここの用事が済んだらワシも加わろう。冒険なら任せてくれ！

ああ、しまった！ カミラ女王から、王の爪になるよう頼まれたんだった。すっかり忘れておった… というわけで、アブナーはワシ抜きで頑張ってくれ

ああ、その通りだ！ 正確に言うと、「シロディール皇帝と名乗っていただいても構いませんが、訳の分からないことを言うのを止めて、私に考えさせてください！」と言っていた

ルビーの玉座に興味はないが、女王の爪のキャドウェル、ってのはいい響きだな

大丈夫だ、カシア。傷は順調に治ってきているぞ

いずれにせよ、この者はあのよそ者にカミラの隣に立つよう頼んだ… たてがみの祝福を与えるために

あなたが彼らを見つけたとガレシュ・リに聞きました。月の門の戦いで起きたことも報告を受けました

ドラゴンや死霊術師との戦いの方がまだマシだわ。政治や戴冠式には尻尾がよじれます！ それに礼服は窮屈で！ ああ、革鎧が恋しい！

いろいろ考えることはありますが、やるべきことはわかっています。アネクイナや他の祖先のように、気高く立ち上がり、潔く責任を負わなければなりません

たてがみの使者が、女王として認めてくれればですが

あの人が何を考えているのかはわかりません！ 私の頭にしぶしぶ王冠を乗せるギリギリまで、私の苦しむ姿が見たいのでしょう

王国の責任が肩にのしかかる前に、お話ししておきたいことがあります

エルスウェアのために… 私のためにしてくれたことを、本当にありがたく思っています。あなたの助けがなければ、私たちは生き延びられなかったでしょう

式典では私の隣に立つよう使者に頼まれたようですね。お願いできますか？

さあ、玉座の間に入って、待っていてください。準備にもう少しかかりますが、程なく行きますから

歓喜の涙が溢れるな！ カミラが到着すれば、この小さな流れは荒れ狂う川となる。それにホノルだ。ワシより感情的になっているぞ！

カミラが正式に女王として認められるのが待ち遠しい。アネクイナにとって素晴らしい日だ

戴冠式に参加するなんて初めてなんだ。帝国式の儀式について書物で読んだことがあるが、あれほど長く複雑なものじゃないことを祈るよ

ああ、五つ爪。リルサジには何の伝言もないわ

ついでに言うと、リルサジは話題を振るのが苦手なことを教えておくわね

カミラはどこだ？ この者の声明を聞きたがると思ったのだが

治癒師の能力は素晴らしいものだな。若い頃に戻ったような気分だ。私はカミラの申し立てに賛同する。お前は彼女の側にいて、力になってやってくれ。彼女はお前がいると助かる。私もな

しかし、カミラはどこにいる？ お前が連れて来ると思っていたが？

カミラがヘマカル王の娘であり、アネクイナの玉座を継ぐ者と証しをたてるのは誰ぞ？

私だ。カミラの長年の保護者として、そしてたてがみの代弁者として。カミラが正当な継承者と認める

前に出よ、ヘマカルとヌマラの娘。前に出よ、アネクイナの子よ！

カミラよ、玉座の主の義務を引き受けるか？ 王国を導き、住まう民を守り抜くか？

それこそが、私の使命です

よろしい。たてがみはそなたの主張を受け入れ、認めよう！ アネクイナの女王、カミラを称えよ！

私は民に仕えることを誓います。そして、勝利に貢献した全ての者に感謝を捧げます！

最後に、私が称えたい者が一人います。今回の様々な問題において、かけがえのない支えとなってくれた者が

五つ爪、私の仲間にして友よ… どうか、玉座の近くへ

勇敢な五つ爪よ。あなたの輝かしい功績は歌となり、世代を超えて語り継がれるでしょう

クンザ・リのように、あなたは伝説となるのです

それなら、何も言わなくていいのです。あなたは私の故郷を暴君から救った。私の両親の仇を討った。ドラゴンやアンデッドから守ってくれた。私たちは忘れません

絶対に… 絶対に忘れない

あなたは、エルスウェアが最も必要としている時に現れました。絶望的な騒乱の中、私たちの国の再生を助けてくれました。この国はいつでも、あなたを歓迎します

そして、私に与えられる最大の報償をお受け取りください。私はあなたに、アネクイナの勇者の称号を授けます！

まだドラゴンやユーラクシアの兵士は残っていますが、今は祝いましょう！

仲間と話して、宴を楽しんでください。勇者よ。あなたのおかげです！

あなたが考えているとおりのことです。問題を聞いて、解決策を探す。ドミニオンの味方と協力する時に備えて調整もしますし、はぐれドラゴンや、ユーラクシア軍の残党への対処もあります

当たり前のことばかりですよ

新たな冒険に出る時なのでしょう、五つ爪。私は民を導いて、僭女王の記憶を消さなければなりません。あの女の名が歴史から消えるように！

もちろん、お忍びで遺跡を探検することもあるでしょう。時々ね

皆の者、五つ爪を称えよ。私がアネクイナの勇者と呼ぶ者を！

私は不可能な任務を携えて北エルスウェアに来た。民兵を指揮して、ユーラクシアからリンメンを解放しようとしたんだ。目標以上のことを成し遂げられたのはお前のおかげだ

ありがとう、勇者よ

これまで同様、たてがみの命令ならどこへでも行く。しばらくはリンメンに残り、カミラ女王の手助けをする

ここ6年、彼女の成長を見てきたが、想像を超える良き女王になるはずだ

アネクイナ王家の復興を助けてくれてありがとう、歩き手よ。再びカジートの王家がリンメンの玉座を奪還できた

堅苦しくてすまない。たてがみの祝福をカミラへ授ける前に、確認が必要なのだ

美しい儀式だったな。モラグ・バルがデイドラのタイタンを披露した時や、魂なき者の串刺しの儀式には劣るが、それでもとても美しい！

これからか？ 一切考えていなかったな！ 過去と現在を辿り、未来のことを思い悩むだけで手一杯だ

コールドハーバーの大きな裂け目の端に、小屋でも建てるか。ああ、目まいがする！

ああ、いつかは戻るさ。ワシの故郷だからな。さもなければ、魂なき者は誰を崇拝すればいいかわからんだろう？

友よ、恐れるな。またキャドウェルの剣が必要になれば、迷うことなく馳せ参じよう。約束だ！

この者はカミラ女王の戴冠を見ると心が高鳴る。彼女の両親も誇りに思ったに違いない

この瞬間へ導いてくれてありがとう。おかげで、ザマラクも天職に戻ることができた

アデプトに変わりはないが、カミラ女王が爪として私を受け入れてくれることになった。この者は女王を守り、力の限り仕えよう

それがザマラクの宿命だ。そうだろう？

シグナス不正規兵の全軍をあげて、カミラ女王を支援できてよかったよ。ユーラクシアがエルスウェアに持ち込んだ厄介事の埋め合わせになるといいんだが

なあ、音楽が聞こえてこないぞ？ 私はカジートのワルツを6年も特訓したんだ、すべて無駄になったのか？

傭兵部隊という響きはどうにも好きになれないが、仕えるべき帝国はもうないんだ。幸い、カミラは私たちの助力を受け入れてくれた。彼女に雇ってもらうよ

技術者や助手としてね

少しだけだよ。言っておくが、カジートの踊りの大半は爪と尻尾が必要なんだよ。上弦の月が演奏されるといいが。とても優雅な曲で、尻尾のない私でも踊れるんだ

カミラ女王。これで正式に女王ね。きっと、リルサジの伝令の仕事も忙しくなるわ

まあ、この者は密偵として優秀すぎたから、誰も天職に気づかなかった。女王の伝令も悪くない仕事よね？

やっとだわ！ カミラ女王が王冠を戴くのよ！ ああ、こんな時代に生きてるなんて素晴らしい！ やだ、嬉しくないの？

ああ、この者は興奮しているぞ。お前ほど分かりやすくはないけれど。彼女が乗り越えた試練を見れば、まだ多くの障害が残るエルスウェアを、立派に導いていくことは明らかだ

そうよ！ そのとおりだわ！ 彼女はユーラクシアに立ち向かって勝てるほど、勇敢で大胆だった。ドラゴンが何だかわからない力を得ようとしてたのも阻止したんだから。間違いなく女王の器よ

同感だ。この者は彼女が次に何をするか、楽しみだ