プロウルの保全

プロウルへようこそ！ いいところだろう？ ここを守るために、ちょっと力を貸してほしいんだがね

恐ろしいドラゴンがこの辺りを襲ったんだ。信じられるか？ プロウルの大半を焼き尽くして、動物たちも食べちまった。そのあと密猟者がやってきて、わずかに残った奴らまで殺そうとしてる！

どうか力を貸してくれ

待て、引き受けてくれるってことか？ ズェンの代償にかけて、そいつはありがたい

俺はここから東の、丘を越えたところにある牧場で働いてる。牧場主のヌマイアと話してくれ。詳しいことを教えてくれる。本当にありがとう！

とにかく崖沿いに東へ進め。いびきや吠え声、うなり声に耳を澄ませるんだ

牧場には声のでかい獣が沢山いる。見逃しようがないよ。間違いない

止まりなさい、密猟者！ あと一歩近づいたら、この子がひどい目に遭わせるわよ！

ほら、ミルクソップ！ 立ちなさい！ もう、役立たずなんだから！

ああ、ごめんなさい。近頃は誰もが疑わしく思えるの

ドラゴンが最近襲ってきたのよ。アンテロープの群れを丸ごと飲み込んで、大きな狩猟用のキャンプを焼き尽くしたの。今、ボーンチャイムの密猟者たちはプロウルにテントを張っているわ

この者たちは希少な動物を育てているの。格好の獲物なのよね

つい昨日、連中がこの者の訓練用の笛を盗んだの。動物たちをおびき寄せるためよ。あまりお金はないけど、笛を取り戻して連中を倒してくれるなら、ヌマイアが報酬を払うわ！

あのボーンチャイムの連中を、あなたが叩きのめすところを見たかったわ！

残念だけど、ヌマイアは動物たちを放っておけない。牧場で生活していると、動物も太って怠けものになるの。特にこの子はね。そう、ミルクソップ。あんたのことよ！

ええ！ この者の母の叔父の祖父が、100年以上前にウッドエルフのブリキ職人から買ったの。派手ではないわ。黄金の彫刻とかは施されていないし。でも音は滑らかだし、とてもきれいなトパルパールがついているの。傑作ね！

この者は、その件については考えたくないわ。ヌマイアはあんなに恐ろしいものを見たこともない！ 歯がむき出しになった顎に、大鎌のように長い爪。その大きい翼は太陽も覆い隠すほどよ！

センチやジャッカルになら太刀打ちできる。でもあんな獣に勝ち目はないわ

そうよ。角や蹄や牙を持った動物達が、丸ごとね。食べられなかった動物は焼かれたわ

ヌマイアの牧場は何とか無事だった。アルコシュのおかげね。この者は、あんな怪物を止められる存在がニルニにいるとは思えない

綺麗でしょう？ この土地は、ヌマイアが酔いどれの叔父のバラクから買い取ったの。素面の時は有能な狩人だったんだけど、素面の時がなくてね… 全く全く

あの姿を見せてあげたかったわ。割れた瓶に、ボロボロのテント… ああ、最低だったわ！

そうよ！ ヌマイアが板を置いて、釘を打って、柱を立てたの。6年もかかったけど、この者はなかなかうまく行ったと思う

正直、建てるのはそんなに難しくなかった。でも動物を助けるのはほんとに大変だった！ 面倒すぎたわ！

主に狩人からね。もっと正確に言うと、考えなしの狩人達よ

ヌマイアは肉を食べるカジートを責めない。この者が気に入らないのは、矢で動物を撃ってそのままにするジャ・カジートや、罠を仕掛けておいてほったらかしにするような連中よ

ほとんどがそうよ。ミルクソップは落とし穴で餓死寸前だった。最初は泡を吹いて唸ってたけど、今じゃ一日中眠っているわ。ぐうたらなんだから！

猿のマーマレードは、罠のせいで手を失うところだった。その方がよかったのにって思うこともあるけどね。手癖が悪くって！

その通りよ。でもヌマイアは、どんなに手がかかってもこの子達を愛してる。動物達は無償の愛をくれるもの。こっちも返してあげないとね？

息を… 整えさせてくれ。少しだけ

月に感謝を。戻ったのね。密猟者たちが！ 奴らが攫っていったのよ！

あなたが密猟者の野営地に火を放っている間、奴らは牧場を襲撃したの。戦おうとしたけど、あまりにも数が多くて！

奴らはこの者の可愛いミルクソップを奪っていった！ ハニーデューとシュガーベリーもよ。スレンダルよ、奴らを呪いたまえ！

困ったことがあると、奴らは西にある遺跡で指導者のラーチと合流するの。あなたは連中の小さな野営地を潰した。奴らはあそこにいるはずよ

壁のほとんどは数百年前に崩れたけど、まだ残っている部分は山のように丈夫なの

どうかしら… ああ！ マーマレード！ この者のペットの猿よ。ジャムじゃないわ

あの子はとても素早くて、隠れるのが上手なの。あの子が、さっき手に入れたヌマイアの訓練用の笛を使えば、あなたを助けてくれるかもしれない

最高の作業員、エルハレムを同行させるわ。彼は目端が利くし、大抵の人よりプロウルをよく知っているの

手遅れじゃないといいけど。大事なミルクソップに何かあったら… ああ、二度と自分を許せなくなるわ

うーん。笛での意思疎通を極めるには何年もかかるけど、マーマレードはとても賢い。密猟者のキャンプで何か困ったら、笛を吹いて。あの子が解決策を見つけてくれるわ

でも、あまり期待しすぎないように。結局は猿だからね

そうしたいけど、密猟者たちのおかげで作業員たちは怪我をしているし、あちこちに火も放たれている。ヌマイアは動物を愛してるけど、牧場が丸焼けになるまで黙って見ているわけにはいかないの

エルハレムはとても役に立つはずよ。約束するわ

グズグズしている暇はない。動物たちを助けにいこう！

今出してやるぞ、ラベンダー！

一人で帰れるだろう。次に行くぞ

ハニーデュー！ 少し高いな。マーマレードなら鍵を開けられそうだ

よし！ 先に進もう

閉まっているのか？ クソ。マーマレードなら隙間を通れるんじゃないか

壁の向こうにレバーがあるな。マーマレードなら隙間を抜けられる。笛を試してみろ

よし！ 鍵が開いたぞ！ 中に入ろう

よし、入れた！ シュガーベリーとミルクソップは近くにいる。目を凝らせ

行け、シュガーベリー！ また鍵がかかっているのか？ マーマレードが、あの酔った衛兵から鍵を取れるかもしれん

ジャガの最後の一杯を賭けてもいいが、扉の鍵は酔っ払いの衛兵がベルトに留めてるはずだ。マーマレードに確認させよう

よし！

鍵を手に入れてくれ。ミルクソップは扉の奥だ。俺には分かる！

あのうめき声を聞いたか？ ミルクソップだ。急ごう！

ミルクソップ！ 生きてるぞ！ 逃がしてやろう！

生皮を剥いでやる！

よし、急いで檻を開けよう！ あんまり待たせるとミルクソップが心臓麻痺を起こしちまう

これで全部だ！ 牧場で会おう！

ああ、ヌマイアのお気に入りの作業員が来たわね！ ミルクソップと臆病なマーマレードが戻ってきた時、あなたも近くにいるだろうと思ってたわ

ええ。この子はちょっと震えてるわ。暖かい食事をあげて、あごを優しく撫でてあげれば落ち着くでしょう

本当に、心から感謝するわ。ミルクソップからもね！ ほら、ありがとうは？ あらあら。もう、しょうがないわね！

休みたいけど、馬屋は掃除しなきゃならないし、飼い葉も入れなきゃならない… 牧場主の仕事は終わりがないものよ

密猟者の分は長くかからない。でもドラゴンに襲われた分は何年かかるやら

あなたのおかげで、誠実でまじめな狩人たちが戻ってくる。彼らの手助けがあれば、元どおりにする方法を見つけられるかもしれない

もちろんよ。獲物がいない狩人ほど悲惨なものはないでしょう

動物の子供がその子供を産むまで待って、生き残っているものを守る。そうしないのは馬鹿な連中だけよ