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書籍

狼少年ウェルギタル

エドゥアルド・ロンタンの作とされる

雨の上、雲の上、空よりも上からキナレスは見つめていた
毛皮の変装に身を包んだブレトンの子供を
グレナンブラ峡谷の狼に育てられた
狼少年は森や丘、沼を駆け巡り
狩りの喜びを噛み締めた
彼は強くがっしりと育ち、もう子供ではなかった
夜はセクンダの明かりの下、獲物を探し
群れは大胆にも、襲撃と略奪をするようになった

フェルズランの農民たちの髪が逆立った
飛び回る暗い影、暴力の予感
凶暴な唸り声と共に牛を襲っている
子供の略奪者が狼を従えている
狩人たちが出てきた、毛皮を求めて
狼たちは逃げた、茨の茂みに隠れて
狼の襲撃はさらに激しくなり、街を荒らした
長老たちは群れを退治する計画を練った

縛られた山羊が鳴く、罠にかけるための餌
狼少年と群れは悲しい定めに引き寄せられた
群れは獲物に飛びついた、食事のつもりで
だがフェルズランの射手たち、すぐに群れを打ち倒す
矢は速く飛び、少年の頭巾が落ちた
血にまみれ、矢に貫かれ、彼は吠え声と共に倒れた
狼少年ウェルギタルは湿地に埋められた
キナレスの元へ帰ろう。お前の魂は清められた

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