クエスト名「血には血を」
物語内容
フィランドと話す
ダンジョンの入口にいる、フィランドと会話しましょう。
カイネを称えよ。呪われた地の終焉を見るとは思わなかった!
頼む。他の者を助けてくれ! 獣どもは私達の故郷に火を放ち、ここまで連れてきた。奴隷にして殺すためにな
誰にここまで連れて来られた?
リーチの民とミノタウロスだ! 見たこともない奴らだった。心臓を抜いて、代わりに私達が採掘する深紅の石を入れるんだ。そうすると皮膚が岩に、血が炎になる
それだけじゃない。奴らには恐ろしいフォージがある
フォージ?
大地が脈打ってるんだ! 昼も夜も轟いて、歪んだハートストーンと血に飢えた刃を生み出す。フォージに連れてかれた者は、誰も帰ってこない
他の連中を、そんな運命から救ってくれないか?
そのフォージに寄って、できるだけ助けよう
フォージは荒野の先、遺跡の奥にある。気を付けて進め。この森はリーチのハグ、カイラオイフェに従う。カラスの声を聞いたら、手遅れだ
ハグが全ての黒幕なのか?
違う。獣たちは族長のゲリグ・ブルブラッドに仕えている。フォージでさえ奴の命令に従っているようだ
デイドラと契約したに違いない
彼の計画について知っていることは?
普段ならリーチの民は、追い払われる前に奪えるものを奪うだけだ。しかしこのクランは残らず破壊している。私達を狩りにきたんだ。征服しにな。奴らは軍を組織しているようだ
採掘させられている赤い石とは何だ?
ニルンクラッツだ。見たこともない程、大量にある。毎日新たな鉱脈が蔓を通って、地面に流れ出てる。その場所全体が生きているみたいに。奴らはそれを恐ろしいことに使う
どうしてそう思うんだ?
フォージが産み出すハートストーンと武器は、奴らを血に飢えた怪物に変える。肉は石に、血は炎になる。日ごとに生み出される数が増えている
このフォージの由来は? リーチの民が生み出したのか?
リーチの民は蛮族だ。襲い、奪うが、ものを作ることはしない。あのフォージは古代のものだ。ひょっとすると築いたのは定命の者じゃないかもしれない。だが、奴らはリーチの穢れた魔法を使い、フォージを動かしている
マスガメインを倒す
ドレッドホーン・クランを倒しながら探索を進めましょう。
ドレッドホーン・クランを倒すと、捕虜達が解放されます。
※ドレッドホーン・クランと捕虜達の発言内容は、ページ下部の「物語補足」に記載しています。
探索を進めると、カイラオイフェがマスガメインを召喚します。
巣にいる美味しい虫を摘みにきた。ええ、来たわ。そう、来たのよ
でも大地が腹を空かせてる。ええ、そうよ
マスガメインと戦いましょう。
マスガメインを倒した後、フィランドが駆けつけて来ますが、ハーピーに連れ去られます。
イスグラモルの斧にかけて! 奴らを倒せるのか! 来い! こっちだ――
カイラオイフェを倒す
探索を進めると、カイラオイフェが待ち構えています。
私達から肥えた幼虫を奪った。ええ、奪われたわ
気にも留めない。腹をすかせた大地の口元にいる。ええ、いるわ
カイラオイフェと戦いましょう。
戦闘開始時の発言内容
- 今が食べごろね!
- 目をえぐり出して、もがく姿を見な!
戦闘中の発言内容
- 転がって、砕けて、のた打ち回れ!
- 石の鉤爪が深々と抉るわ!
- 石の牙に潰されて、引き裂かれるの!
- 大地には牙がある。当然よ!
- 飛んでけ、飛んでけ!
- 巣の中は安全よ。安全
- 飢えた蔓がお前にからみつく!
- 飢えた根が私の声を聞くわ! 聞くのよ!
- 渇いた棘に喉を差し出しなさい!
- 彼らが曲げる弓、砕く骨。この枝は私のよ!
- 蒔いた種を刈り取ってる。ええ、それだけ
- 大地は我が友。ええ、友よ。強く抱きしめてくれる。そう、強く!
戦闘終了後の発言内容
- 骨を埋めると、球根が芽を出す… ええ、そうなるわ
- 虫達を休ませる… ええ、そうするわ…
カイラオイフェを倒した後、サングイナリーベインズに入りましょう。
ストーンハートを倒す
捕虜達を解放しながら探索を進めましょう。
探索を進めると、ファイアー・ショークに囲まれている捕虜達がいます。
囲まれてしまった! 他の奴らと逃げるべきだったんだ!
いえ、見て! 炎吐きもここまでは来られないわ。ここで食い止めるのよ…
ファイアー・ショークを倒して、捕虜達を解放しましょう。
ありがとう! ほら、どうにかなったわ… 向こうの岩肌には気を付けて
探索を進めると、ストーンハートが待ち構えています。
族長は更なる贄を必要としている。かき集めろ!
ストーンハートと戦いましょう。
戦闘開始時の発言内容
この手で狩猟の父に捧げてやろう!
戦闘中の発言内容
- 俺の呼びかけに、大地は応える!
- 俺達は石に命を与える!
- 俺は石に連なる者!
- 石の仲間よ! 蘇れ!
- 肉体と石はかーっかっか!
- この土地の血は俺の血だ!
- フォージが俺の心臓だ!
グループが全滅した時の発言内容
- 狩猟の父よ! この宴を捧げよう!
- 俺達は選ばれた! ドレッドホーンがこの地を支配する!
戦闘終了後の発言内容
価値ある… かーっかっか…
ストーンハートを倒した後、レナ・ハンマーハンズと捕虜達が話し始めます。
俺達は自由だ! 道は開けてる。逃げれるうちに逃げるべきだ!
逃げる? 今も仲間が野良犬に捕まってるのに? ありえないわ!
この武器のためにノルドの血が流れたけど、それももうお終い。私達は戦う!
戦おう!
レナ・ハンマーハンズと会話しましょう。
あなたは天の賜物よ。ショールの骨をついばむカラスに、ショールの憤怒をもたらした
ここに戦士はいない。けれど、リーチの民が本当に自分の心臓を切り出したいのなら、喜んでやってやるわ!
今のうちにここから逃げるべきだ
あなたは巻き込まれただけだけど、私たちは戦わなきゃならない! 奴らは血で贖えないほど奪い、殺してきた。それでも、贖わせてやる!
奴らをリーチまで押し戻し、土地を焼き、皆殺しにしてやるわ!
落ち着け。何に怒っている?
落ち着け!? 私は獣どもに怒っているだけよ。奴らは償わなきゃならない。罰を受けなきゃいけない! ノルドはこんな恥を許さない!
リーチの民が、フォージで作っている武器はこれか?
そうよ! 赤く、熱く、飢えてる。ノルドの血を流すための武器が山ほどある!
リーチのスキーヴァーと、肥えた家畜に試してやるわ! あの怪物、ガルチョブハルにもね!
ガルチョブハルとは誰だ?
角と石の心臓を持つ怪物。炎の血が流れる獣の最初の1体よ。私達が奴を恐れると考えたみたいね。でも、この武器で新年のロースト肉のように切り刻んでやる!
あの轟く音は何だ?
フォージよ! この呪われた地の恐るべき中枢。もう近いわ
この武器でリーチの奴らを追い詰めて、金床で片っ端から砕いてやるわ!
ガルチョブハルを倒す
探索を進めると、ガルチョブハルと対峙している捕虜達を発見します。
進むことも、退くこともできない! 道を開けなさい!
そいつは痛み以外何も理解できない! 殺せ! 始末するんだ!
石の心臓を切り抜いて!
ガルチョブハルは捕虜達を吹き飛ばします。
ガルチョブハルと戦いましょう。
ゲリグ・ブルブラッドの生贄の儀式を止める
探索を進めると、ゲリグ・ブルブラッドが生贄の儀式を始めます。
獣人の父! 狩人の王! ハーシーンよ、聞きたまえ!
我らは臆病者の血を欲する!
恵みには、砕石場をもって報いよう!
飢えた刃で狩りに祝福を。さすれば永遠にこの豚どもでもてなそう!
血には血を。大地の糧となれ!
ゲリグ・ブルブラッドと血の守り手と戦いましょう。
戦闘開始時の発言内容
- 俺こそがドレッドホーン・クランだ!
- 俺たちがスカイリム全土を灰燼に帰す!
- 我が子の恨みを晴らす!
戦闘中の発言内容
- 血には血を。大地の糧となれ!
- オブリビオンに召されろ!
- 獲物は厄介な程いい!
- 飢えを… 飢えを感じる!
- フォージの牙を感じろ!
- フォージが呼んでいるぞ!
- 俺の牙は鋭いぞ… 子羊
- 殺戮者の果実よ、支えたまえ!
- 獲物を授けたまえ!
- 選ばれし者のための生き血よ!
- 狩猟の父よ、渇きを満たしたまえ!
グループが全滅した時の発言内容
- 奴らの血が飢えを満たさんことを!
- 狩猟の父よ、この獲物をもって、あなたを崇めよう!
ゲリグ・ブルブラッド達を倒した後、儀式場の中央からアースゴア・アマルガムが召喚されます。
アースゴア・アマルガムと戦いましょう。
フィランドと話す
アースゴア・アマルガムを倒した後、フィランドがやって来ます。
カイネの陽気な雌鹿にかけて! 何て虐殺だ!
フィランドと会話しましょう。
じゃあ、じゃあ終わったのか? 奴らはもういないのか? 忌々しいフォージが、奴らの墓標になったのか?
そう思う
カイネはこの地を永遠に苦しめるつもりだ。生きてる限り、あの槌の悪夢を見るだろう…
感謝の気持ちの他に渡せるものは何もないけど、本当にありがとう
クエストを完了する。
他の人たちはファルクリースに逃れたと聞いた。私もそうするかもしれない。もっと安全になったらな。あんな目にあう前に、この呪われた地から離れるよ
言いたいことは分かるだろ。奴らの目を見ろ。腹を空かした狼のようだ
追いかけてくるべきではなかった。死ななかったのは運がいい
お前が彼らを救えるかどうか、確かめなきゃならなかった。自分が一人だけ助かって、逃げたんじゃないってな…
今日はきっと、カイネが見守っていてくれたんだ
ファルクリースは避難先なのか?
この地の一番大きな街で、首長が住んでる。イカれたリーチの民から逃れられるとしたら、あそこだ
フォージが人々をおかしくしているのか?
リーチの民だけじゃない! 私の一族を見てみろ。誠実で勤勉なノルドだ。斧を握るのは薪を割る時だけだったのに、今では血を求めている! 狂ってしまった
私は違う! そうはならない
会話を終えると、レナ・ハンマーハンズと捕虜達がやって来ます。
リーチの奴らの血が臭う! どこにいるの?
ハッ! みんな肥えた子牛みたいに切り刻まれてるわね! ソブンガルデへの供物だわ!
急げ! みんなを逃がすんだ。こいつが目を覚まして、血をすすられる前にな!
彼らを解放して、使える剣を渡してやって! 同じところから、またリーチの犬がくるわ!
ダメだ! こんな不吉なものは燃やすんだ! もう終わったんだぞ!
終わりなんてないわ! リーチの民の最後の一人の息の根を止めるまではね
レナ・ハンマーハンズと会話しましょう。
フン! この手で族長の頭蓋骨を叩き割りたかったけど、またにしとくわ!
すぐに決着をつけてやる!
何をする?
リーチの民を永遠にこの土地から追い出してやるわ! 私達には奴らが呼び起こした力がある。 ようやく奴らを始末する手段を手に入れた! 無駄にはしないわ!
- 過激すぎないか?
- 分かった。自業自得だ。
過激すぎないか?を選択した場合
怪物のせいで母と息子を失った! ここにいる者たちは皆同じよ。奴らは略奪を繰り返してきた。償うべき罪があるわ!
分かった。自業自得だ。を選択した場合
でも、ショールの報復をもたらしたのはあなたよ! あなたの名を称えて、彼らの叫びに応えるわ!
この場所について教えて欲しい
問題ある? 呪いが祝福に変わったのよ! リーチの民みたいに火を煽る方法を覚えたら、ニルンの果てまで奴らを追い詰めてやるわ!
- それは良い考えではない。ここは葬るべきだ。
- これほどの力を無駄にしてはもったいない。
それは良い考えではない。ここは葬るべきだ。を選択した場合
誰がこの場所を作ったのか知らないけど、目的があったはずでしょう! 使ってほしいのよ! あんたの腰が引けた言葉より、そっちの声の方が大きく響くわ!
これほどの力を無駄にしてはもったいない。を選択した場合
きっとこのフォージを築いた者は、裏切りに強く復讐するために、ショールの血を叩いたのよ! その槌が叩かれた分だけ、彼の名を称えるわ!
血に飢えているな。自然な状態ではないようだ
これほど自然なことはないわ! 何をすべきか、こんなにはっきりしたことはない! 狩るか、狩られるか。それが世界の法則よ。平和に溺れて、忘れてたわ!
- 引き返せない道へ進む前に、その武器を捨てろ。
- 一理ある。その本能は正しいのかもしれない。
引き返せない道へ進む前に、その武器を捨てろ。を選択した場合
武器を捨てて、臆病なスキーヴァーのようにまた狩られろって言うの? 嫌よ! 獲物に戻るなら、死んだ方がマシだわ!
一理ある。その本能は正しいのかもしれない。を選択した場合
もしあなたが私達のように生き、私達のような目に遭えば、躊躇なんてしないわ!
何をすべきかは、はっきりしてるの!
クエスト報酬
- 経験値(極大)
- ゴールド(極大)
- スキルポイント1
- 未鑑定のブラッドルート・フォージの装備
物語補足
捕虜の発言内容
ダンジョンの道中にいるドレッドホーン・クランを倒すと、捕虜達が解放されます。
捕虜達は解放されると、喋りながら去って行きます。
森にいる捕虜達
- 見られてる気がする。ここの森を信じちゃいけない
- 奴らは俺達を家畜にするつもりだった。つないでおいて、いずれ切り殺すんだ!
- 弟は目が合っただけで殺された… 奴らは獣だ!
- 叩く者の曲がった牙で殺されるかと思った
- 何もかも燃やされたけど、命だけは助かったよ! ありがとう!
- リーチの犬から身を守れるのは、ファルクリースの城壁しかない。私たちはそこへ行く
- 角のある襲撃者はただの噂だと思ってた… 本当だったとは
洞窟にいる捕虜達
- 奴らには心臓さえない。あるのは、呪われた紅い石だけだ!
- 奴らは戦争の準備をしてるんだ! これは… 始まりに過ぎない!
- リーチの民があんなになるんて! どうかしてる!
- ショールよ、お許しください! 私はあなたの血を穢しました!
- 次は私が連れて行かれると思った。奴らは弱者だけを連れていく
- 脈を打ち、血を流す蔓があるなんてな
- 息子は倒れるまで働かされ、フォージに送られた。もう何日も姿を見ていない…
- あの槌は雷鳴のように轟く。全く止まらない! あれを止めたいんだ!
洞窟にいる反乱した捕虜達
※ストーンハートとの戦いの後に、ドレッドホーン・クランに反乱する捕虜達が現れます。
- リーチの犬め、殺してやる!
- 獣め! お前らは獣だ!
- 家畜みたいにお前を焼き殺してやるぞ!
- 殺せ! 皆殺しだ!
- 一族のため、そして祖先のために!
ドレッドホーン・クランの発言内容
以下はドレッドホーン・クランが戦闘時に発言する内容です。
森にいるドレッドホーンは「ブライアコーラー」「フレイムチャンター」がいます。
洞窟にいるドレッドホーンは、「詠唱師」「クランスレイヤー」「ソーサラー」がいます。
発言内容は全てのドレッドホーンで同じです。
- ここが暑いのか? お前はフォージに飲み込まれる!
- ようやくまともな獲物か!
- 恐怖の匂いがする! 腰抜けの血をすすってやる
- クランがお前の血を飲む!
- ドレッドホーンがこの地を支配する!
- 解放してやろうか? 追い詰めてやるぞ! もう一度な!
- 族長よ、その働きは報われる!
- 角の者達がお前の骨を砕く!
- 狩猟の父のために!
- 刃が血に飢えている!
- 掘らぬのなら、舐めろ!
- 牛が腹を空かせてる。俺も腹が減ってる。働け
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ついに運が巡ってきた! 要塞にこれ以上適した場所はない。確かに前回も同じことを言ったが、ここは隙間風の入る兵舎やボロボロのシーツがある壊れかけの古い砦じゃない。この遺跡は、まさに追いはぎの楽園だ。
ここは人里離れた場所だ。洞窟をいくつか通り抜けた先にあり、山道からは渓谷が見えない。ノルドの兵士が偵察に来ることはないし、気付かれることを恐れてキャンプの火に気を使うこともない。そもそも、料理以外では火を使う必要がない。料理にさえ必要ないかもしれない。この地域には熔岩が流れていて、洞窟と遺跡の中を快適な温度に保ってくれている。草が生い茂っているのもそのせいだろう。肩幅と同じぐらい太い蔓があることも、この標高にこれだけ植物があることも、誰にも想像できないだろう。
状況がまずくなって人目を避ける必要が出来た時も、ここなら十分に暮らしていけそうだ。警戒が解かれるまで蔓を切り、雪を溶かし、温かい草のベッドでゆっくり過ごせばいい。隠れ家の暮らしとして、こんなに贅沢なことはない。
—
確かに、品物をここまで運んでくるのは思っていたよりも大変そうだ。だが、帰り道で他の人間やエルフの姿も見ていない。リーチの民が痕跡を辿ってこちらに向かっているという噂があるが、腰布を巻いた原始人を恐れる必要なんてあるのか? それでも遺跡の防備を固めるまで、罠や警報を設置しておいたほうがよさそうだ。
—
ここを初めて訪れた時、この壁が血を流したような色をしていることには気付いていなかったと思う。ここには、このくすんだ赤い石がそこら中にある。いや、実際には血を流しているわけではない… とにかくこれを見てから、その姿が頭から離れなくなった。
—
昨夜寝ている時、仲間を殺しそうになった。奴がずっとこそこそ動いていたので、全く休めなかった。眠れたと思ったら必ず、服のこすれる音が軋む車輪のように耳をくすぐってくる。奴を殴りつけたが、振り返ると奴は死んだように眠っていた。実際に死んでいた可能性もあったが、とにかく、こすれるような音がまだ鳴り響いていた。
音の正体は蔓だった。蔓が酔っ払った大蛇のように身をよじっていたのだ。
—
少し離れなければならない。あの蔓の音は、どんな騒音の中でも耳に届くようになった。頭がおかしくなりそうだ。山道を探索して、まともな場所を探すしかなさそうだ。
—
1時間の間に、3回カラスの群れを見た。それとも道に迷った同じ群れだったのだろうか? 鳥がこの辺りをうろうろするには少し季節外れだ。これは悪い予兆だ。そういう噂を聞いたことがある。
—
どこから来たのかは分からない。リーチの民による山狩りだ。大勢いる! 何かを探しているようだ。だがここに彼らが求めるようなものは何もないはずだ… 我々以外には。彼らはまだ隠れ家を見つけてはいないようだが、いずれ見つかってしまうだろう。
—
できることなら荷物をまとめて早くここから逃げ出すよう仲間に言いたいが、蛮族に気付かれず抜け出せるとは思えない。事態が思ったより早く好転することを祈るしかなさそうだ。
—
あの鳥どもめ! カラスが遺跡をねぐらにして、それからずっと鳴き続けている。洞窟の外まで鳴り響く声は、実際よりも十倍ぐらい大きい獣が鳴いているかのようだ。
神よ、あれを止めてくれ!
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運命とは奇妙なものだ。ある者の運命が、定命の者からみれば何の前触れや理由もないような状況で、突如として変わってしまうことが多々ある。だがこの場所に私を導いた一連の出来事は、何らかの知性がある存在が作り上げたものとしか思えない。多くの偉大な発見と同じように、これも偶然によって引き起こされた。ジュリアノスは悪戯が好きなのだろう。
私のクラグローンへの旅は遅れに遅れ、降霜の月になってようやく出発できた。賢い者であれば翌年に延期していただろうが、立ち往生があまりに長く、悪意に悩まされた経験は以前にもあった。最初の数日間の夜は、燃えさかる決意のおかげで凍えることもなくジェラール山脈を登り続けられた。だが逃げ帰れなくなるほど遠くまでやって来た時、その寒さは腕の良い追いはぎのように、私から決意を奪い取っていった。
選択肢は残っていなかった。勇気を出して近くにある乾いた洞窟に入り、そこが熊やトロールの住処ではないことを祈るしかなかった。そして岩の中へと続く、天然の洞窟を発見したのである。そのゴツゴツとした岩の中から響いてきた恐ろしい遠吠えに思わず飛び上がりそうになったが、それはただの風の音だった。その風に服を引っ張られた私は、その暗闇へと引きずり込まれた。好奇心を刺激された私は、寝床に向いた一番居心地の良い花崗岩の調査をいったん打ち切り、その先に何があるのか調べてみることにした。
そこで私が見たものは、山々に囲まれ、世間から隔離された渓谷だった。その一番奥と思われる場所には熊がいて、私はその熊を眠りから目覚めさせるという大失敗を犯してしまった。私は疲れ切っていたが、のろまな獣の怒りによって、寒さにもう少し長く立ち向かう勇気を奮い起こさせられた。山道沿いの奥地とは違い、身を切るような寒さにもかかわらず、そこでは自然界の生物がまだ生に執着していた。
その地が寒さに耐えていたとしても、身を隠せる場所がなければ寒さにやられる程度には寒かった。だから私は寝床に適した狭い場所を探した。何度ももうダメだと思った。この極寒の地で死の魔法をかけられているようだったが、忍耐はどうにか報われた。渓谷の突き当たりにある山には、削り出されたような古い遺跡が建っていたのだ。その中に潜む危険を考える余裕もなかった私は、最後の力を振り絞って巨大な石の扉を押し開け、その場に倒れ込んだ。暖かい風に迎え入れられた記憶を最後に、私は気を失った。
私はうつ伏せになったまま目を覚ました。だが顔の下には冷たい石でなく、温かい大地と生い茂る草花があった。最初は服が湿っていたのは解けた氷のせいかと思ったが、服が肌にくっついていたのは私の汗のせいだった。その遺跡はどうやら、熔岩の流れている洞窟の中に作られていたようだ。活力に溢れる植物が存在しているのは、そこが熱帯気候の土地だからだと自分に言い聞かせようとしたが、その言い訳も調べていくうちに破綻してしまった。この遺跡が理由なのか、もしくはこの洞窟にそういった特性があるためにこの遺跡が建てられたのかは分からないが、どうやらここには植物を異常成長させる不思議な力があるようだ。
寒さによって死ぬ可能性がなくなった私は、この洞窟の入口に拠点を構え、遺跡の外面を隅々まで調べることにした。これはネードの民が作ったものだ。その程度は見当がつく、だがシロディールで見られる他の建築物よりも洗練されていない。アレッシア時代以前のものだ。数ヶ月クラグローンで調査しても、これほどのものは見つけられないだろう。だが私は、探検を始めてからわずか数日で、文字どおりの偶然によりここを見つけた。運命とは本当に奇妙なものだ。
遺跡の起源に関するニコラードのメモ
調査には1週間ぐらいかかったが、作った部族を特定できたようだ。古代ケプトゥの碑文があった。碑文というより「グリフ」と言ったほうがいいかもしれない。この時代の彼らの文化はほとんど口承によって伝えられていたはずだが、それはまた別の話だ。これは「ブラッドルート」という意味のようだ。ここにある太い蔓と血色の良い岩を、色彩豊かに暗示したのだろう。
これだけ豊富にあるニルンクラッツは、彼らにとって大きな発見だったはずだ。つまりここに建造物を作ったとしても不思議ではない。だが実際に採掘したような痕跡は見つかっていない。もしかしたらここは、ネードが石を精錬する技術を開発する前から存在していたのかもしれない。聖堂のようなものだろうか?
殴り書きされた数
IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII
捕虜のしわくちゃのメモ
誰か私の夫を見ませんでしたか? 名前はエブランドです。背が低くて体は細く、優しい目をしています。彼らのせいで離ればなれになりました。それ以来、夫がどこにいるかまったく分かりません。私の無事を伝えてください。
捕虜による慎重さを求める警告
あの間抜けなフィランドが逃げ出した。目を合わせるな。奴らは見せしめとして、誰かに罰を与えるつもりだ!
反抗的な落書き
絶対に屈するな。それが奴らの狙いだ。気を強く持て。好機を待つんだ。ツルハシを振り続けろ。奴らの頭蓋骨に穴を開ける日までな。
フォージに関するニコラードのメモ
この古代部族は高度な技術を持っていなかったかもしれないが、原始的だったわけではない。この遺跡の中心部に用いられている建築技術は、ドワーフほどではないにしても、アイレイドのように精巧だ。部屋は広く実用性があり、儀式に使うこともできそうだ。だがその目的については、まだはっきりと分かっていない。現時点では、フォージのようなものだったのではないかと考えている。彼らは熔岩の流れを利用して鉱石を溶かし、金属に熱を加えていた。そのようにして作ったものを冷やすための、巨大な水盤らしきものもある。だが近くに水源らしきものは見つかっていない。
それに鍛冶が使っていたと思われる巨大な石の槌と鉄床もある。だが彼らがどう動かしていたのかは分からないし、魔力が使われていたような形跡もない。これだけ昔のものだ。かなり前に魔力が切れてしまったとしても不思議はない。
即席の弔辞
スロム・ウルフガルドはここで死んだ。敵は岩だった。2週間戦ったすえに敗れた。戦いが歌い継がれることはないだろうが、ソブンガルデは迎え入れてくれるはずだ。
脱走計画
この洞窟にはベラドンナがある。多くはないが、十分だ。いつもの場所で会おう。
ニコラードの自分用メモ
この遺跡では寝る場所に気を付けなければならない。今日の夜、仕事中に居眠りをしたあと、恐怖のあまり命を落としそうになった。大蛇に締めつけられているような感覚がして、目を覚ました後にのたうち回りながら、崖から飛び降りそうになった。実は、寝ている最中に蔓が絡まっただけだった。
夢の中で何か楽しいことに熱中していたようだ。あの酷い目覚めのあとで、何だったのかを忘れてしまったのは残念だ。
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