ハーツ墓地1

ここの雰囲気が好きだ

静寂な空気が流れている。下から聞こえるあの叫びと比べて、とても心地良い

ああ、確かに聞こえたな。下の墓地からだ

いいか。俺はどこかに行く。そこで会おうなんて考えるなよ。だが、もしかしたらまた後でな

お願いよ。もういい。もうこれ以上はいい…

私は死んでから長いのよ、見知らぬ人。でも夫のネリエンエスのせいで果てしない苦悩に沈んでいる。デイドラ達が恐ろしいかぎ爪で夫の魂を襲い、暗黒に落とし、私に敵対するようにした

あなたが見ているものは… その末路よ

夫は… 堕ちた生物となった彼は私を呪った。魂を3つに破壊して聖句箱に封印した

聖句箱が壊されれば私は眠れるようになるけれど、箱は忌まわしい獣達が守っている

私はずっと優しい言葉と出て行く方法を夢見ていた。でも、これはあなたには荷が重すぎるように思う

最初の聖句箱はこの先にある。想像を絶する生き物に守られているわ。あなたには倒せない。誰にも倒せないの

ずっと昔、ここはアギア・レルだった。私が冒険を生業として教えていた場所

私の夫、ネリエンエスがそれを破壊し、ここをハーツ墓地に変えてしまったの。彼の魔法が続く限り、私と生徒たちの魂が苦しむ場所へ

• ネリエンエス、どうか、もう止めて！アンコナスはここまでされる謂れはないのです！
• どうして止めないのですか、ネリエンエス？これに何の意味が？
• ネリエンエス、これを止めてくれるよう求めます！お願い…

自由よ…

あ… ありがとう。あなたが… こんなにも有能だとは思っていなかった。アンコナスの拷問を終わらせ、私の魂の一部を解放してくれた

もう少し手伝ってくれる？ この魂はいまだ拘束されているの。そしてデイドラが他の者達を苦しめている

同僚の教官だった。ここのアギア・レルで、破壊魔法の学科を教えていたの

彼を失うことは私にとって、そして魔法社会にとっての悲劇だった。安らかに眠ってほしい

私達二人が浮気していると思ったのよ

勿論、それは夫の勘違い。でもあの人の非難が私の心に深く刺さった

そして深い苦痛を与えたの… 何年も。彼がなぜそう信じているのかは、まだ分からない。デイドラが彼の耳に囁いたということ以外は

夫が私と学校の人達にしたことは、擁護できるものじゃない

でも私は夫を彼自身から救えなかった。機会を与えられるなら、もう一度試したいの

夫は契約した。デイドラとの契約を。ネリエンエスは魔法に堪能だったけれど、こんなことを全て一人でできる訳がない

彼が仕事を終える前に阻止することはできた。そうすべきだった

悲劇と苦悩の裏には、いつもデイドラ達がいるものよね

そう、夫はデイドラ達に力を求めた。そして手に入れたの。あなたが見たものすべては、彼がデイドラの魔法を使って生み出したものよ

私の魂のかけらがまだ2つ捕らわれている。それを解放してくれれば私は… やっと次に進める

アンコナスの泣き声が何年もこの間で響いていた。静かになると耳が聞こえなくなった感じがするわ

私の魂の一部は南に存在している。そこはとても強固に守られているから、気をつけて

あなたが戻って来ると信じているわ。ここから先は難しくなる一方だけど

アランウェ、少し時間はあるか？ 新しい授業の計画について話したいと思っていた。それから、もっと大事な話もある

あなたとは話がしたかったの。あなたが教えている上級の破壊というのは何なのかしら？ タムリエルの奥地で生徒たちには自分たちを守れるようになってほしいの。でも彼らに戦争の仕方を覚えてほしくはない。学校を燃やす方法もね

それなのに、戦いの魔術師を雇ったのか。この話はあとでもいいか？君の夫が…

ネリエンエス？何のこと？

私と君が関係を持っていると思っているようだ

関係を？あなたと？

何がおかしいんだ？

特に理由なんてないわ

• なぜ彼が苦しまなければならないの、ネリエンエス？止めて！
• もう十分でしょう、ネリエンエス！刃をしまって！
• これ以上苦しませないで、ネリエンエス！もう十分でしょう！

感謝するわ

ルラニールはそんな目に遭うべきじゃない。誰も遭うべきじゃないのよ

彼は学校の剣聖、同僚の教師よ

ルラニールは古い友人だったわ。主人はルラニールを苦しめれば、私が後悔すると知っていたの

あなたの決意が私に希望をくれる。ずっと前に痛みに屈した私に

南東の門を通ると最後のかけらがあるわ

強力なリッチの衛兵達が、この魂の最後の一部を守っているの。彼らは歴史から抜き出され、主人に召喚された。主人は私の生徒達のうちの一人の魂を苦しめている

あの生徒を助けるためなら、再度命を差し出してもいい。でも、それができないの。お願い、彼を助けて

アランウェ、君の夫は私を嫌っているようだ

誰かに嫌われているんじゃないかと思う時、実は逆に好かれている、って言うでしょ

私が通る度に舌打ちしてくる

やめて

本当に！あいつの何がいいのかわからない。だが君の結婚をよく考えれば…あいつが勝者なのか？

褒め言葉として受け取るわ、ルラニール。でも周りを見て。彼の助けで建てられたものを。アギア・レルとその生徒たちは何よりも美しいわ。どうしたら彼を疑えるの？

それは人を愛する理由にはならない

ルラニール、私たちが学校を建てる前、彼は私の夫だった。それにあなたも何かを得たはず。剣聖とは、戦士ギルドを追い出されてから最初に得たまともな仕事のはずよ

タムリエルは正しい道へ戻るだろう。そして君はまた、私と冒険に出るかもしれない

夢を見てればいいわ、ルラニール。今は学校が私の全てなの

やめて！ もう十分でしょ！ フェインダーに構わないで！

感謝しきれないわ

解放してくれてありがとう。そして、フェインダーを救ってくれてありがとう

彼は昼間に火で苦しめられ、眠っても同じ仕打ちにもう一度遭った。これで、安らかに眠れることを願うわ

私の生徒よ

彼はお気に入りだった

逆ね。彼はアルトマーの貴族の子息で手に負えなかった。そして、私のことを憎んでいたし、他の皆のことも憎んでいた

でも彼には直観的な魔法のひらめきがあった。魔術師ギルドにはそれを育てる忍耐強さがなかったけど

彼はアギア・レルが誇る最も偉大な魔術師になったわ。夫を超えていると、フェインダーの卒業式に訪れたアルトマーの外交官が言っていた

フェインダーが去る日、夫がデイドラとの契約を結んだの。フェインダーの運命は、わかるでしょ

ここまでやってくれるなんて、思わなかった。あなたの能力には驚くわ

魂のかけらは解放されたけど、夫は２匹のデイドラのしもべ、イランブリス・アソールとイランブリス・ザヴォンを残したの。かけらの結合を阻止するためにね

デイドラ達は〈欠片〉の再結合を防ぐ魔法をかけている。私の魂が一つにならないようにね

夫はオブリビオンの拷問のような痛みを私に与えようとした。オブリビオンの住人達を連れてくるのが、一番簡単な方法でしょう？

そうね、あなたが彼らと対決してもよいのなら。デイドラ達を倒せば魔法は解除され、私の魂は救済される

奴らはおそらく今頃、南の間で新しい拷問について思いを巡らせているでしょう

解放されるとは夢にも思わなかった。魂のかけらを助けてくれてありがとう

あなたはフェインダーも共に救ってくれた。言葉にできないほどの平穏を与えてくれたのよ

フェインダー！

何？

ネリエンエスの教科書を書き直ないでって何回言えば分かるのかしら？ 信じられないほど腹が立つ。侮辱ね

彼の本は間違ってる。それを直す私にも報酬があってしかるべきだ。私の編集版から新入生たちが学ぶことは多いだろうし

天の光にかけて！ アルトメリの者は目上の者の批判などしない！ オークにでも取り憑かれたの？ いったいどうしたの？

私もオークなのかもな。だが君も分かるだろう、アランウェ？ 君たちは本当に愛らしいエルフだ

その、ごめんなさい。本を元の場所に戻してくれれば、それでもういい。フェインダー、あなたには才能がある。それをひけらかして無駄にしないで。もっと上手くできると思うなら、時が来た時に見せてくれればいい

待ってくれ、このゴミクズを読んだのか？ 君の夫は召喚について何も知らないみたいだ。ここで一体何を教えている？ 目的は何だ？ 家賃を払う以外に何かあるのか？ 彼は君たちにとっての恥だ。君たちというのは魔術師のこと。全魔術師にとってだ。全世界のな

黙りなさい、フェインダー！ なんてひどいガキなの！

それを感じてる？

他の者が戻っている！

アランウェ、どこで見つけたのか知らないが、君の新しい友は死を恐れていないようだ。尊敬に値する

私が言うのも何だけど、夫の手下を倒してくれたのよ。彼らには感謝しかないわ

ああ

なんてことだ… ネリエンエスが仲間の多くを苦しめていたなんて。下劣な犬畜生め！

落ち着け、フェインダー。代償を払う時はいつか来る。そんなに死に急ぐことはするな。二度とだ

我々の友がデイドラのペットを殺した。私たちを探しに来るかもしれない。備えておこう

この世界から離れる前に、ネリエンエスに一言だけ言ってやる。あいつはきっと気に入らないだろう

私は挑発が得意なんだ

ネリエンエス… 奴が来るのは予期するべきだった。デイドラどもが奴にどのような呪文を授けたのかは知らないが、奴の眉間に刃を…

私が止めるべきだったが、お前が奴を止めてくれて感謝する。皆のため

ネリエンエスの火も、時が経てばそうたいしたものでもない

私の怒りの炎のほうが激しかった

あなたは不可能なことを成し遂げたのよ！ デイドラの仲間達が、我が友の魂を言葉で削ぐのを見たことがある。あなたの力は無限に違いない。それよりも上なものは、あなた自身の度量だけよ

かけらは集まり、私の魂は再び一つになった

あなたに感謝するわ

デイドラ達はネリエンエスを利用した。私には分かる。この地を去ってもいいけれど、ネリエンエスがどこかにいると知りながら去ることはできない。彼は戻ってくるかもしれない。デイドラの影響から彼を解放するためだったら何でもするつもり

あなたは私の魂を解放してくれただけでなく、夫の攻撃に囚われていた、全ての生徒達の魂を救ってくれた

あなたの行動は、私たちの過ちを償ってくれた

主人と私は、お互い冒険者だったころに出会ったの。この学校は、実践的な魔術と生存術としての武器の使用法を教えるために建てたわ

世界は危険な場所でもある。生徒たちには、私たちのように対処する術を与えたかったの。もしどうなるか知っていたら…

もし夫が最後にはどうなるか知っていたら、彼がこの学校と生徒たちに何をするか知っていたら、決してこの学校は建てなかったでしょう。

ある意味、私はデイドラに彼らの人生を捧げてしまったんだわ。素晴らしくなるはずだったものから、苦悩の年月を生み出してしまった

相当の数だったけど、今は解放されているわ。あなたが見たフェインダー、ルラニール、アンコナス…そして私。私たちが最も憎まれていたの

他の者は証人として壁の内側に閉じ込められたわ

ネリエンエスは私からすべてを奪った

取り戻すまで、私に安息はない

刺されていない時の方が論理的な思考がしやすい。長い年月が過ぎたものだ

友よ、お前には借りができた。我々にしてくれたことは忘れない。アランウェのために

他の者は君のことを賞賛しているが、もう少し時間があれば、私は自分を自由にできるマジカを集められたはずだ

あと十年ほどあればな。火をつけられながらでは、集中するのは難しいんだ