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書籍

なぜ耕したか

この洞窟に追放された今、ここに入れられることになった理由の整理以外にできることは限られている。しかしそうすることで空腹をまぎらわすことができる。決して外にいる汚らわしい同胞のように、同族を食べたりはしない。

我々ボズマーは――奴らには背教者と呼ばれるが――現代的で文明化された考えを持った世界に戻りたい。木を崇拝する原始人などもうこりごりだ。

その目標を持って我々がしたこと、仲間にここに閉じ込められることになった理由は、誰にも想像できないだろう。農業だ。

木を植えて種を蒔き、もうすぐ収穫できるところだった。発見されて、グリーンパクトを破った罪で死ぬためこの地下に追放されるまでは。

我々がグリーンパクトに同意したのではない。我々の祖先が遠い昔に同意したのだ。しかしそれでも結果は受け入れなければならぬ。この馬鹿げた協定のせいで我々は弓を作ることすらできないが、他の者から買うことはできる。自分達で木を切り倒すと冒涜と見なされるのに、誰かに頼めば問題にならないのだ。

偽善など馬鹿げたもので、そんなものに縛られるわけにはいかない。それを拒絶したために、我々は死ぬのだ。

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