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書籍

ブラック・マーシュの湿った荒野

シランティレ著

第二帝国の時代、ブラック・マーシュを取り巻く広大な沼地は帝国の領地だと主張されていた。当然ながら、頭の固いエルフたち(そしてこのタムリエルの尻にできた膿の染みだす吹き出物の崇拝者たち)はアルゴニアという名前を好んだ。それは彼らの先祖たちが死を与えられた古代の戦場なのである。おそらくこれを理由として、爬虫類の民の原始的部族に対して、我々の標準語で「アルゴニアン」という名を与えるのが適当だと判断されたのだろう。議論の余地がないのは、この地方の哀れむべき惨状である。破壊の跡と悪臭がはっきりとにじみ出ている。過去の戦闘の爪痕と、現在の略奪者たちとが、このそうでなくても荒れ果てた辺境を損ない続けている。だが内奥部へ進んでいくと、ブラック・マーシュの暗黒の心臓部はさらに惑わして来る。その多様な自然は探検者たちを梅毒に感染させるために作られている。現実においても、妄想の中でも。

この地方の居住者は他では見られない匿名性を満喫している。初期のアルトマー探検家であり詩人でもある水先案内人トパルは「足の速い、人間のような爬虫類が、この大沼を駆け巡っている」と記述し、移民には居住不可能な、見捨てられた場所という所感を残している。しかし、コスリンギのような未開人たちや、バルサエビク・アイレイドのような原始のエルフ、またカジートの親戚である狐のようなリルモシートなどは皆、この不快な辺境の一部を自分のものにするため戦ったのである。

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