誇り高き者カシウス著 巡礼者ヴェロスとしても知られる聖ヴェロスは、ダンマーの列聖の中でもおそらく最も有名かつ最も崇められている存在である。サマーセット諸島の後期中神話紀に名を挙げたヴェロスは、自分に付き従う者たちのためにより禁欲的で純粋な生き方を探し求め、彼らを集めてタムリエル南西地域から北西までの大巡礼に出発したとされている。現代の文章によれば、彼は「1隻の船もなく、食料も武装した人間も、この脱出行の仲間に入れることなく、レスデインの地を目指して進んだ」。 新しい地へ向かった彼の大所帯の巡礼は、その途上で厳格な規範を打ち立て、かつ成功裏に終わった。この種族は高度な文化の一時期を経験し、多くの者にとってそれは黄金期として知られている。ヴェロスの導きが何世代もの石工や建築士、さらに司祭と一般の民を形作った時期である。彼は強力な戦槌、ヴェロスの審判を手にしていたが、ヴェロスは基本的に温和で学を好む精神の持ち主と考えられており、ダンマーにおける治癒の付呪が彼の名前を冠していることからもうかがえる。 予言者としてのヴェロスの力は疑う余地がないが、ダンマーの祖先崇拝に関する極端に保守的な教えは一考に値するだろう。というのも彼はトリビュナルが起こるに先立って「善きデイドラ」の神としての崇拝を、ほぼ独力で開始したからである。ヴェロスの民は彼に絶大な敬意を払っており、彼の影響は数世代後になっても感じられる。スカイリム南東のヴェロシ山への登山や、ダンマーの長老が自らの種族を「ヴェロシ」と呼んでいるのを聞くと、エルフの世界を形作った師の存在を今でも感じられるのである。
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