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書籍

バンティールの日記

この言語で書いていると手がつる。構文は不完全だし、動詞の活用にはいらいらさせられる。だが黒き虫の教団が使っている言語だ。適応しなければならない。

この広間を最後に歩いてから何世紀も経過している。父が私に破壊の儀式について教えてくれた場所もある。私が初めて生贄を捧げた石もある。そしてもちろん、私達全員を飲み込んだ裂け目もある。

何年の間、オブリビオンに捕らえられていたのだろう。私達が互いに向き直り、仲間を疲弊させる前はどれだけの時間があったのだろう。モラグ・バルが私の無慈悲ゆえに私を祝福したため、私だけが生き残った。今、我が主はこの黒き虫の教団員を案内してシラーセリに行き、ふたたび目的を果たすために、私を選んでくださった。

虫の教団が広間に追放者、我々の奴隷の末裔があふれていると言ってきたとき、私は激怒した。まず頭に浮かんだのは、すべてを消し去ることだった。だがその時、もう一つの考えが浮かんだ。「もし誰かを説得して裂け目をもう一度開かせることができたなら、一時的であっても、黒き虫の教団は地表の目を避けてシラーセリに入る手段として使うだろう」と。

虫の教団の密偵の一人がこの任務に適任だ。単純な不死の約束をするだけで、その者の運命は決まった。虫の教団が入れば、奴隷達を一網打尽にするのは簡単なことだ。その生物は我が王の次元融合に理想的な燃料を供給してくれるだろう

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