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書籍

衣装についての紛れもない真実

完全無欠のエレヌーメ著

現代の混沌とした環境下で魔法を学ぼうとする者は、タムリエルの魔法学の未来を脅かしている伝統に対する敬意の低下に屈してはならない。儀式は軽視され、学問としての本来の複雑さは、荒く不適切な分類分けへと変わってきている。これは許されるべきではない。このように高等技術が汎用的、「実用的な」活用術へと落とされていくのを防ぐべく、ちっぽけな努力ではあるが私も最善を尽くそうと思う。そのため真に魔法を学ぼうとする者のために正しい学習法を記載する。まずは基礎として、新人学習者のための適切な衣装だ。

上級者への扉を開きたい者、そのために研究と練習の時間を惜しまない者が身に着けるべき衣装はただ一つ、布のローブだ。ローブの着方を学ぶために貴重な時間を割くのは効率が悪い。魔法使いの防具は魔法であり、それ以外のことに時間を使うのは愚かだ。そのような下品な真似をする者は、革や鉄をいじっている間にマジカへの真の理解から遠ざかるだろう。

とはいえどんな汚い布きれでも使えるわけではないので、考えなければならないこともある。頑丈な材質を使用し、属性への耐性をつけておくべきだ。実験によって危険にさらされることもあるため、長袖で全身を覆っておくのは必須だ。錬金術と魔法は密接に関係しているので、植物の標本などを入れるためのポケットや袋があれば便利だ。探検隊を雇う金がなく自らフィールドワークを行う場合、生地を重ね、防水加工し、標本保管用のスペースを作っておくように。

もちろん見た目も重要だ。仲間からも敵からも、敬意を得ようと思えば聡明な空気を醸し出さねばならない。私のローブには一族の最も強力な者たちの名前を刺繍で列挙していて、防御魔法を使って神聖なまじないも編み込んである。他にはエセリアルの図表など、学問の分野を強調する刺繍を好む者もいる。私の知り合いの中では、見る者すべてに強力な魔術師の着そうな服に見えるよう、強い錯覚を編み込んでいる者もいる。

ローブは自分自身の一部であり、自分の意思をムンダスに示す手段でもある。締め付けの強い無意味な鎧を纏って戦闘に突っ込むような考えは捨て、自分の技術をあらゆる方面で完璧なものへと磨き上げることに尽力するよう、重ね重ねお願いしたい。自分自身の力で敵を退けられるようになれば、そのようなありふれた防具は必要ない。強力な雷撃を放つも、敵の頭を恐怖で毒すも良し。どんな形でも、極めることに心血を注げば、可能性は無限大なのだから。

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