書籍

セプ・アダーの繁栄

ウェイレストはあまり選択の余地を与えてくれなかった。
ウグイアビの売り上げは資産のいくらかを取り戻させてくれたが、面倒に見合うほどのものじゃなかった。
私たちは水の漏れる船を1隻買い、故郷に帰る途中の沿岸で売るための貨物を探し求めた。
私、ザビアーコは港の斡旋業者をあまり信用していなかったので、持ちかけられた計画の大部分は拒絶した。

「だがな、ザビアーコ、珍味の取引をするべきだよ!」
とあの悪党は言った。
「砂糖と米じゃ大した儲けにはならないが、泥で覆われたドゥルーの卵は、アバーズ・ランディングのよく肥えた金持ち商人たちに珍重されてるんだぜ!」
その時は危険を冒す価値があると思った。

そんな価値はなかった。
ドゥルーは交尾の後、足を取り去って海の中で過ごすのだが、船体の中にあった卵の存在を感じ取ったに違いない。
私たちがセンチネルをあとにしてすぐ、奴らは襲ってきた。
船に穴が開くと同時に、奴らは水と共に突進してきて、卵を奪っていった。
船が完全にバラバラになる前に、私は気を失ってしまった。

でも心配はいらない!
これがザビアーコの最期ではない。
まだまだ語るべき物語や見るべき生き物がたくさんある。
たとえば美しいセプ・アダー。
それについてはすぐに話そう。

私たちはヒューズベインの地の南西部にある浜辺で目を覚ました。
アバーズ・ランディングから地続きの短い旅だった。
街へ向かう旅では多くの冒険に出くわした。
その中には自分を鮫だと思っているオークとの出会いもあった。
しかし一番よかったのは地元住民にセプ・アダーと呼ばれていた、翼の生えた蛇だ。

ウグイアビと同じように、見た目は間抜けな生き物だ。
足はないけれど、蛇のように地上を動き回る。
翼を持っているのに、空を飛ぶことはできない。
しかしあの馬鹿な鳥とは違って、セプ・アダーはうまく繁栄しているし、優美だ。
この生き物はその尽きることのない飢えを満たす術を常に持っている。

セプ・アダーは常に次の食事を狙ってうろついている。
この土地の川の緑が生い茂る岸に沿って滑空しながら、空中では虫を取り、水中からは魚を取っている。
後に土地が渇いてきて、水が少なくなって来た時、こいつらの数が増えているのを見た。
地面の中の乾燥したちっぽけな巣から、小さなネズミを引っ張り出していた。

セプ・アダーはあらゆることに対して不器用に見えるが、実は多くのことをうまくやれる。
湿った土地と、乾いた土地の両方に生きている。
それはザビアーコも同じ。
私は生まれつき金があったわけでも、格別運がよかったわけでもないけど、機転を利かせることによって多くの不運を乗り切ることができた。

この土地の人々はセプ・アダーに敬意を払っている。
というのは私たちがアバーズ・ランディングに近寄った時、翼を持つ巨大な蛇に巻き付かれている男の大きな彫像を見たからだ。
あんなに大きいのは見たことがないけど、だからといって自然の中にいないとは限らない。
もしあんな生き物が困難を乗り越えて、勝者として栄誉を与えてもらえるとしたら、もしかするとザビアーコも、困難を乗り越えて、どこか名誉を授けてもらえるような場所を見つけられるかもしれない。
もしその栄誉が、単に次の食事がどこにあるのか知っているというだけのことでも!

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