黒きヒレのケシュの友人にして相談相手、ピーク・エリール著
ストームホールドを訪ねた旅は、陽気な一日に突然襲いかかる嵐のように不運な展開を迎えた。
ゾシンとティー・ワンは、ケシュとヴォス・フルクと私がノルドの新しい友人たちと夜を過ごしている間に、自分たちで街を探索することに決めたのだ。
ティー・ワンが戻ってきた時、彼は一人だった。
彼はダークエルフの奴隷商人たちがゾシンを捕らえたと説明した。
ケシュは当然、彼を救出する計画を立てた。
そして驚いたことに、新しいノルドの友人たちのリーダーである吟遊詩人のジョルンが、私たちを手伝いたいと言ってきた。
「正しい目的のためにダークエルフの頭をぶん殴るなんて、これほど血が沸き立つことはないぞ」と、彼は深く、よく通る声で宣言した。
ケシュとジョルンは街の外れにあるダークエルフの居留地へと進んだ。
「ドーレス家か」とジョルンは言ったが、名前というより呪いの言葉のような言い方だった。
「わかっていたさ」。
私たちは居留地を偵察し、衛兵の位置や巡回経路を記録した。
新しく手に入れた奴隷たちが収容されている場所を判断し、解放するための計画を立て始めた。
ケシュが戦略についての議論を主導した。
ジョルンはそれを注意深く聞き、時々提案を挟んだが、それ以外では彼女の計画に賛成した。
太陽が空に昇り始めると同時に、4人のサクスリールと5人のノルドはドーレス家の奴隷商人の居留地に戦争を仕掛けた。
戦いは栄光に満ちたものだった!
自信過剰で備えていない敵に対して奇襲を仕掛けるのは、想像するよりも簡単なことだ。
半分酔っぱらった、熱意に満ちたノルドが数人味方についていればなおさらだ。
ケシュとジョルンはつむじ風のように戦って奴隷の檻への道を開き、残った私たちは到着した援軍の相手をした。
ダークエルフたちが防衛体制を整えるまで、私たちの予想よりも長くかかった。
遅い時刻に予期しない襲撃を受けたことで、どうやら奴隷商人たちの活動は完全に混乱してしまったようだった。
ジョルンの説明によると、彼らは荒野で隊商を防衛するのには慣れているが、ドーレスの居留地を直接襲撃するような大胆な者はこれまでにいなかったそうだ。
「だからお前の計画は成功するよ」と彼はケシュに言った。
ケシュは苦もなく奴隷の檻の門を守っていた衛兵たちを片づけた。
ジョルンは彼女が切り開いた道に踏み込み、巨大な戦斧を一振りして檻の錠を叩き壊した。
ゾシンが檻から飛び出し、みすぼらしい身なりのサクスリールの一団を檻の外へ導いた。
この時、ダークエルフたちは隊列を整えて私たちの位置へと進んできていた。
「お客さんのお出ましだよ、黒きヒレ」とヴォス・フルクが警告した。
「奴らは魔術師も連れている」と私は付け加えた。
ケシュは必要なら全滅しても戦う覚悟をせよ、と命令を出しかけた。
だがジョルンには別の考えがあった。
「死ぬまで戦わなくたっていいこともあるぞ、アルゴニアンの友よ」と大柄なノルドは目をきらめかせて言った。
「お前の民を連れて逃げるんだ。俺と仲間であの弱っちいエルフどもを抑えておくから、その間に抜け出せばいい」。
ケシュは彼に感謝し、いつか借りを返すと約束した。
「その約束は、本当に守ってもらうことになるかもしれないぞ」と言ってジョルンは笑い、迫りくる奴隷商人たちに向き直った。
「そのうちにな」
ケシュは私たちと解放した奴隷をマーシュへ誘導し、ジョルンとその仲間たちが背後で守った。
ノルドたちは喜び勇んで戦い、私たちは彼らの笑い声と戦いの歌を耳にしながら、沼地へ姿を消した。
太陽が空の一番高い位置にまで昇るくらいまで走り続けた後、ケシュが私たちに止まるよう呼び掛けた。
彼女は私に、街へ戻ってノルドたちが奴隷商人の領地での戦いに生き残ったかどうかを確かめてきてほしいと頼んだ。
隠密とごまかしの技に優れるティー・ワンが私に同行すると申し出た。
ケシュが解放された奴隷たちに話しかけている間、私たちはすぐに出発した。
私たちはできる限り静かに、人目につかないようにストームホールドへ戻った。
居留地は厳重に封鎖されており、大規模な衛兵の派遣部隊が到着して守りを固めていた。
ティー・ワンと私は宿屋へ戻った。
私たちはジョルンとその仲間たちをそこに発見した。
朝の戦いの時よりも悪い状態には見えなかった。
彼は心配して様子を見に来てくれたことに感謝したが、長居をしないように言った。
「ドーレス家のリーダーは奴隷を失ったことに大層ご立腹だ」とジョルンは言った。
「俺たちもここを離れるつもりなんだ。
食事とハチミツ酒を片づけたらな。
また会えるのを楽しみにしてる、とケシュに伝えてくれ」
こうして、ティー・ワンと私はストームホールドの街を去り、ケシュや皆の元へと帰った。
コメント