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書籍

ヴァレンウッドのウッドエルフ

アルトマーやダンマーなどの親戚とは異なり、ボズマーは他と比べると気さくと言えるほどの態度を持っている。インペリアルの外交官の中にはこの陽気な愛想のよさを、グリーンモート中毒者が初期に経験することのある、あのまろやかな酩酊に喩えている者もいる。しかしこれをカジートのスクゥーマ中毒者と同類のものとみなすような、早まった真似はしないほうがいい。この木の民は盗みにかけては意地が悪く、抜け目がない。尊敬とは言わないまでも、注意には値する存在である。

ボズマー族の統治は、このゆるやかな覇権を統治と呼べるなら、カモラン王朝によって行われている。だが、組織されていないボズマーの部族間で、司法の厳格かつ強制的な執行が見られることは稀である。それよりも多少厳格なのは、母系を基本とするクランの血縁である。樹の従士、あるいは部族の長の支配は、戦時下における防衛以外の目的をほとんど持っていない。真の権力は「紡ぎ手」として知られている森の女神イフレの司祭たちが握っており、彼らはグリーンパクトと呼ばれる、ボズマーに肉食と、種類を問わず生きている植物はいかなる手段にも使用しないことを強制する、奇妙な行動原理を守らせている。

彼らは森のニンフなどではない。ウッドエルフが戦争に赴くのは、土地を支配するためでも貴重な資源が欲しいからでもなく、スポーツとしてである。ヴァレンウッドが脅かされでもしない限り、ボズマーは他者を殺すことを単純に不必要と考えている。貴重品の窃盗に関しては盗難以前に誓いが交わされ、一滴の血も流すことなく解決する。しかしやむを得ない場合、彼らは弓に卓越した能力を示す。若者は射程とスピードを活かした、驚くほど高度な狙撃訓練を受けている。アレンシア近くの森を歩く時は、財布やかばんを手元から離さないようにし、ボズマーの悪党は地元の街の警備員に報告することだ。

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