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書籍

消えたクラッツ

センチネルの賢者 マスラ・ドラ著

オッセウスクラッツの起源と目的は、未だ大いなる謎に包まれている。それはヘガテ近く、アビシアン海の海岸で発見された。非常に大きな未知の獣の骨を材料に組み立てられており、より合わせた繊維のひもで1つに結び付けられていた。ほぼ人間2人分の幅と高さがあり、表面はグリフ、文様、さまざまな種類の手書き文字で覆われていた。そして、見たところでは、その周囲に根源的なエネルギーを、不定期に噴射していた。学者が記すところ、この爆発は現代の破壊魔法の既知の限界をはるかに超える魔法の力を放出したという。

その奇妙なアルケインの図形の中に書かれた言語のうちの1つは、アイレイドが起源のもののように見えた。しかしつづりの中の特有の言い回しと一部の文字は、アイレイド語の学者にとってさえ未知のものであった。放出を短時間抑制し、翻訳を試みたところ、全体のうちほんの一部分だけ、意味が判明した。

次に示す例が、翻訳で判明した文章の全体の語調とテーマを示している。

「這い回る紫の中の[それ]を捕獲せよ。エセリアルの力が下の圧縮的[ろ過作用]により増幅した」

「生命の沈殿を強化する。[切り取った]光を解き放ち手に入れよ。深い影でのみ抑止される」

センチネルの魔術師ギルドの施設へ移送してから3週間のうちに(その困難な任務には何の見返りもないが)、クラッツはギルドの制御室から消えた。何が目的で作られたものなのか? 誰が、なぜ作ったのか? 残念なことに、私たちがそれを知ることはもうないだろう。

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