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書籍

連続した真実 第4巻

「巻かれ続けるメインスプリング」の第四トゥールビヨン、デルドライズ・モーヴァインの説話からの抜粋

私は言葉で歯車を巻く

次にソーサ・シルの沈黙について話す。時折、灰の子らは問う「クロックワーク神はどこにいるのですか? なぜトゥールビヨンのみが、退屈な順序で彼の言葉を話すのですか?」。彼らは恐怖に額を歪ませ、静かな調子で問うのだ。そのような問いから逃げてはならないぞ、トリビュナルの子よ。これらは知恵、無知を力に変える完全な炎に通ずる、些細な冒涜である。「永遠に巻かれるメインスプリング」は「好奇心の父」であるから、好奇心は喜びに満ちた破壊者なのである。物事は隔てられてのみ、完全になるのだ。分解された原動機のみ、磨き上げられて綺麗になる。よって古い機械は粉砕してしまえ! 心の偶像は倒してしまえ! そして、その残骸から新たな真実を組み立てるのだ。完璧で隙のない真実を。

分かるだろうか、トリビュナルの子よ? 勇敢なる心を産むのは、ソーサ・シルの沈黙なのである。知識は見つけなくてはならない。そして物を見つけるには、隠されねばならない。教えられるのでは不十分だ。機械が荒々しく動く音は、機械の中に住まう者にとって静寂に等しい。油を差され続けるタービンは、油の不足を知らず、油の目的を知らない。そして、それは真実も然りである。

さあ、好奇心には代償が付きものだと分かったはずだ。アルムよ、この異端の行動を許したまえ! ヴィよ、この異端の行動を許したまえ! 私は順番に言葉を紡いでいるのみである。黄金の仮面の法を心に留めながら、その限界も知れ。震えるガラスの声を注意して聞きながら、その規模の限界も知れ。その真実は慣性の真実である。重力の真実である。その心は、液状の真鍮に満たされた器である。衝撃には強いが、動けはしない。「永遠に巻かれるメインスプリング」は動かぬものを拒絶する。後のニルンでは、動かぬものがキルン・アマランザインの餌食となり、そこではセトの静かなる憤怒が太陽のごとく燃え盛り、壊れた歯車が全になる。永遠の車輪は回らなければならない。最後のタムリエルは時を刻まなければならない。アヌヴァナシ。全の中では、それぞれが己の位置につかなくてはならない。一片が欠けても、全は全でなくなるのだから。

私は言葉で歯車を巻く。

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