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書籍

マグナーの正体

敵を知ることは敵を打ち破る第一歩だ。

マグナー・ベアストームは、またの名を子供喰いのマグナーという。
奴はロスガー全土の群れを少なくとも50年に渡って率いてきた。
その若い頃のことはほとんど知られていない。
奴が人間の姿をしているのを見た者はいない。
奴が子供であったことはないという者もいる。
ハンティング・グラウンドから爪で道を切り裂いて現れた時、成長しきって憤怒に満ちていたという。

マグナーが初めてロスガーの山地に現れた時は、大勢の子供を真夜中にさらった。
食べるためだったと思われる。
騎士団は奴が子供たちを最初の群れの構成員に仕立て上げた可能性も排除してはいない。
どちらの可能性がよりショッキングであるかは何とも言えない。

マグナーとは二度戦った。二度とも危うく死にかけた。
奴は取り立てて敏捷でも、気配を消すのに長けているわけでもない。
そんな必要はないのだ。
最後に立ち向かった時、私の剣を少なくとも三度はまともに喰らったが、ひるみもしなかった。
このために騎士団の一部には奴が不死身だと思っている者もいる。
奴がハーシーンの化身で、月の野獣に姿を変えているのではないかという者すらいる。
みんな与太話であるのは言うまでもない。
よく聞け、新入り。マグナーは生身だ。
奴を殺してそれを証明してやる。

ヴォラス・ナイトアイズ

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