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書籍

ウェアシャーク船長のサーガ、パート7

ピャンドニア探検の続き

血に飢えたノルドの斧使い達と、トライデントを持つリザードブル達が突然突進してきたことで、シーエルフの船長は混乱したのだろう。彼はパニック状態で叫びながら射手達に攻撃を命じた。そして彼らは、愚かにも突然現れた獣達に向かって矢を放ったのだ。その無益な攻撃はリザードブル達をますます怒らせた。そしてそれと同時に、ウェアシャークは「ステンダールの血を!」と叫んだ。我々はそれを合図に、一斉にその戦場に突撃した。

怒ったリザードブル達は怯えたシーエルフ達に襲い掛かり、彼らを分断して森の中に次々と放り投げた。シーエルフ達が態勢を整える頃には、強きフリッカ達もそこを通り抜けて岸に辿り着いており、我々は全員で盾を使ってファランクス陣形を作り、雷と嵐の魔法の詠唱を開始していた。ウェアシャークはすでに自分の武器を回収しており、我々も仲間達の救出に当たっていたが、その頃シーエルフ達はまだ空中にいた。

航海の歴史上最も冷酷な海賊と、怒ったリザードブルに囲まれれば、いくらシーエルフ達といえどもセンチネルの真ん中にあるムーンブロッサムのように萎れるしかなかった。結局はリザードブル達に追い立てられ、マオマーの生存者達は蜘蛛の子を散らすように森の中へと逃げ込んだ。我々はネラモやヴィミーと協力して、他の者達に狩り方を教え、向かってきたわずかなリザードブル達を始末した。

エルフの死体から金になるようなものを全て回収した後、我々は小舟に急いで乗り込み、外海へと向かった。全員がペールスピリット号の先に停泊しているシーエルフのガレオン船を警戒して身構えていた。背後には霧が再び立ちこめてきていた。リザードブルに追われて八つ裂きにされて苦しむ、あのシーエルフ達の叫び声は決して忘れないだろう。彼らのやり方は残酷だったが、島の恐ろしい生物たちに惨殺される姿には思わず同情してしまった。

ウェアシャーク船長を見ると、シーエルフの船長の金色の兜を被っていた。これからこの兜を使っていくというわけではなく、バカにするための冗談だったようだが、まるでウェアシャークがついに色とりどりの美しい羽を脱ぎ捨ててしまったかのようだった! そうなったら、一体誰が彼を見分けられる?

船を漕ぎ、シーエルフが叫び声を上げている間、我々は雷や嵐の訪れと、新たなシーサーペントの攻撃を警戒していた、だがシルバーアロー号の時と同じように、生きてペールスピリット号に辿り着けた。我々は船を出したが、シーエルフの軍艦は停泊したまま一切動かなかった。その時になって分かったことだが、シーエルフの愚かな船長が、帰港するために十分な船員を船に残していなかったのだ。船を奪取することもできたが、その船を操舵できるだけの船員がおらず、それを買い取ってくれるような人物にも心当たりがなかった。

霧がシーエルフの軍艦と怒ったリザードブルの島を飲み込んでいった。その2つが視界から消えても、叫び声はしばらく響き渡っていたが、すぐに波がぶつかる優しい音と、ペールスピリット号の力強い帆の音だけしか聞こえなくなった。シーエルフの軍艦を探すために新たな船が現れることを警戒して、シルバーアロー号と共に夜通し航海を続けたが、我々の行く手を阻む者はついに現れなかった。次の日を迎えると霧はすっかり晴れ、新たな島が姿を現した。前の島よりも遥かに期待できそうだった。

静かに進み、船員達が武器を準備していると、シーエルフ様式のギラギラとした尖塔が視界に入ってきた。さらに重要なことに、浜辺を守るシーエルフの戦士がどこにも見当たらなかったのだ。漁村のようだが、余りにもへんぴな場所にあるため、襲われることを予期していなかったのだ。この襲撃は大規模なものになるだろう。

目を輝かせて羽を風にはためかせながら、ウェアシャーク船長は攻撃を命じた。

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