スポンサーリンク
書籍

ラネヴィアド 第2巻

こうして樫のセルミラの従姉妹であり、イルンダヌス王に最も愛された炭目の放浪者ラネヴは、過去の英雄達に敬意を表するためホシヴェンの石を訪れた。そこで彼女はグレイ・メンヒルを見つけたのである。

その石はラネヴの頭上高くそびえ、彼女を矮小化しながら地と水の上に長い影を落としていた。長身とその力で知られるラネヴは、建っている石の大きさに感嘆した。驚いたことに、目の前で見えない謎の手が石に文字を精巧に刻みつけ、石板のようなものを作りあげていったのである。その石板は彼女に次の言葉を説いた。

「巡礼者よ、星々に従い、探求の旅に出よ。石に刻まれた六の美徳を捜し求めよ。それぞれの命を気高き心で担い、急いで戻れ。素早く公平な者のみがセレスティアルの好意を受けられる」

この言葉を読んだ彼女は、大いなる目的で胸がいっぱいとなった。彼女はこの石の試練に挑み、星々の美徳を目指すことを決意した。彼女はグレイ・メンヒルの前で瞑想し、戦士の賛美歌を歌ってから巡礼の旅を終わらせるべく旅立っていった。

ラネヴは素早く旅を進め、六の聖域をそれぞれ巡礼した。それぞれの聖域で、戦士は六の美徳を得るために恐ろしい生物や忌むべき野獣などの試練を乗り越え、祈りの印を探し出した。勝利と星々の美徳の歌をその身に得た彼女は、与えられた時間内にグレイ・メンヒルに戻り、終生それらの美徳を体現することを誓った。その日から炭目の放浪者ラネヴは、星々の寵愛を受けたラネヴとして知られるようになったのである。

そしてそれは、彼女の冒険の始まりでしかなかった。

コメント

スポンサーリンク