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書籍

逃れられぬ兜

グラッシュの日記
- 遺物マスターグレナディルによる抜粋の複写

107日目

この兜を永遠に脱げないかもしれないことを受け入れた。気に入らないが、仕方がない。これを売っていたあのクソ野郎が言っていたとおり、破壊不可能だということが分かった。あらゆる鍛冶を試したが、誰にも何もできなかった。

245日目

今日は別の魔術師に会った。他の連中と同じで、興味を持ったようだった。口ごもって何かを言って、書物を読んだりした。あらゆる呪文を試した。もちろん何も起きなかった。友人を紹介されたが、もうとっくに望みは捨てている。

487日目

かゆみが収まらない。あらゆることを試した。今朝だけでも千回は氷水に頭を突っ込んだはずだ。宿のベッドがシラミだらけなんて、最悪だ。

682日目

書くのはこれで最後だ。書くたび、何もかもが役立たずだということが分かる… もう望みはない。こんな姿で、どうやって生きていくんだ? 兜から頭が出ない相手と家族を持とうとする者などいるわけがない。軍隊か何かに入ろうと思う。見込みが低いほどいい。こんなふうに生きていくより、戦場で死ぬほうがましだ。

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