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書籍

トリニマクの失墜

信仰なき者著

マラキャスを本当に知るには、神の恩寵を失ったトリニマクと、その苦悶の混乱につながった事件の物語を思い出さねばならない。

神話紀の時代、アルドマーの反体制派は一般的に受け入れられていたサマーセット諸島の崇拝を捨て、若き預言者ヴェロスの教えに従い始めた。ボエシアは夢や幻視の中でヴェロスに話しかけ、定命の者は昇華し神になることができるという信条によって、アルドメリの新たな宗派を導くよう指導した。トリニマクの司祭たちはその新宗派を冒涜であるとして非難し、ヴェロスの教えを捨てなければ流刑にすると脅した。司祭らが採決を下そうとした時、トリニマクを飲み込んだボエシアが現れて、トリニマク本人の声で自分の教えが嘘であることを明らかにした。彼の暴露に面目をつぶされ打ちひしがれた司祭に満足したボエシアは、自分の不名誉を完結させるために、集まった者の前で自らトリニマクを解放したのだった。

トリニマクがどのように倒されたのかは不明だが、倒された後にボエシアによって食べられ、その腹の中で彼の霊魂は拷問されたと言われている。トリニマクの拷問に飽きると、ボエシアは牢獄から彼を解放し、息苦しい灰の世界へと追放した。この拷問と侮辱は、トリニマクの心を歪ませて激怒させた。トリニマクは消え、呪いの神マラキャスとして生まれ変わった。復讐に歪んだ彼の心により、彼の最も熱心な信徒は彼と調和するべく変わり、流浪にさまようように呪われた家なき種族、オーシマーとなった。

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