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書籍

コロールニュース

コロールニュース
第21号
579年 暁星の月

読者の皆様、こんにちは。第20号以降、街ではこんなことが起こっています:

ニュー・ライフ・フェスティバルから皆が普通の生活に戻ったようですが、ヴェレネはお祝いを続けています。

ダーヴェルがまたやっています。今月は酒場〈樫と笏杖〉の近くで数回意識を失っていました。本人は飲んでおらず、地面から発生した噴煙にやられたと主張しております。彼だけに感じ取れる何かが地下に存在すると言い張り続けています。噴煙ねえ。かわいそうなヴァニー!

クイックステップ山賊がまたもや襲撃を行い、ゼゴルの倉庫から干し草と縄を盗んでいきました。これでゼゴルの陽気すぎる性格も改善されるのでは?

ドラン長官が、リトルオーク周辺の騒がしい商人たちを何とかすると言っています。展示スペースをめぐっていつまでも口論するのはやめてもらいたいですね。何とかして商人の数を減らさねば。ポルシアはドミティウスに頼んで半分放り出してもらえばいいのに。

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コロールニュース
第23号
579年 南中の月

ここ数ヶ月の出来事に阻まれ、ニュースが書けていなかったことをお詫びします。これより業務を再開します

コロールでは地面の隆起が続き、大混乱に陥っています。地震がとめどなく続き、裂け目が広がり、犠牲者が増えています。失われた命を列記するのも耐えがたいほどです。全ての家族が悲しみに暮れました。街を歩けば、健在な者よりも行方不明者の方が目立ちます。

隆起の原因はまだ突き止められていません。人々はそれを「大いなる断裂」と呼んでいます。ダーヴェル曰く、切り離しが始まる前から裂け目に気付いていたそうです。以前にも増して変人になっているような気がします。

裂け目から現れた怪物にドラン長官が攫われ、皆がドミティウスをリーダーに推しましたが断られました。代わりが出てくるまで、私がその役目を引き受けることにしました。これらの出来事について詳細を調査すると同時に、救援を要請すべくエシアンとラリアンを帝都へ派遣しました。

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コロールニュース
第24号
579年 薪木の月

みなさんも知る通り、先週エシアンとラリアンが旅から帰還しました。良い知らせはありませんでした。というより、街へはたどり着けませんでした。橋はなくなり、ルマーレ湖の土手を怪物が徘徊していました。斥候が街から出てくる避難民から聞いた噂では、街は廃墟と化しているそうです。救援は来ません。

コロールを引き裂いた地割れが帝都をも壊滅させたそうです。元々そこから発生したと言う人もいます。ラリアンの報告によると、なぜかは分かりませんが現地では「ソウルバースト」と呼ばれているそうです。

皇帝ヴァレンが行方不明になっています。隆起に巻き込まれて死んだという者もいれば、重傷を負っただけだという者もいます。もしや彼のソウルがバーストしたのでは? 選ばれし5人も同様に行方が分かっていません。サイ・サハーンが皇帝を殺し、王者のアミュレットを奪ったと言う者もいますし、犯人はリリスだと言い張る者もいます。帝都は今や混沌に支配されています。

コロールでも同様です。裂け目には炎の怪物が巣喰い、近づく者全てを引きずり込みます。奥底の炎から上ってくる噴煙に意識を奪われ、橋を渡る途中に落ちて死んだコロール人も何人かいます。皮肉にも、リトルオークにはびこっていた商人たちは噴煙と怪物たちが追い払ってくれました。そのうち彼らのことが恋しくなりそうな気がします。

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コロールニュース
第25号
580年 蒔種の月

前号から何ヶ月も経ってしまいました。もう執筆する気力がなくなってきているみたいです。頑張ります。

コロールは崖っぷちです。毎日のように地震が街を揺らします。裂け目はもはや街の一部にさえ思えます。あれがなかった頃のコロールが思い出せません。

多くの人々が街を出ました。残っているのは行き場のない者か、諦めの悪い頑固者だけです。みんな来るべき時をただ待ちながら、かろうじて生きています。

他所も大差ない状況です。噂ではサルンが帝国の実権を握ったそうです。支配しているのは帝都とルマーレ湖の界隈ぐらいですが。クリビア・サルンが摂政女帝となりました。役職に押しつぶされることを願います。

地方では帝国軍の脱走兵が武装集団となって悪事を働いています。真の兵士は砦にいるので見かけることはほぼありません。シロディール外の野蛮人国家と戦争するとの噂が絶えません。帝国が弱っているのを嗅ぎつけ、タムリエルを征服するつもりなのでしょう。神々よ、我らに救いを。

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コロールニュース
最終号
580年 黄昏の月

申し訳ありませんが、これ以上は無理です。誰かが続けない限り、これがニュースの最終号となります。

状況が良くなるようにと願えど、悪くなる一方です。地震が起きるたびに少しずつ我が家が崩れていき、少しづつ裂け目へと引き寄せられていきます。いつ倒壊してもおかしくないですし、そのときは心中するつもりです。エシアンが善処してくれていますが、もはや家はつぎはぎだらけです。

軍隊が頻繁に街を通り過ぎたり通り抜けたりしますが、帝国軍ではなく、カバナントやドミニオンの軍ばかりです。作物は侵入者に盗まれ踏み荒らされ、食料が尽きてきました。ゆっくり飢餓へと向かっています。

他に行くところはありません。どこも戦争の只中です。山賊が好き放題略奪を働いていて、旅人によれば地方では怪物がうろついているとか。かろうじてここまでたどり着いた数少ない商人たちも恐ろしくてここを出られずにいます。もはや売り物も大してありませんが。

誰がこの状況を救ってくれるのでしょう? いいえ、救えません。私たちが死ぬまで、この状況は続きます。神々はシロディールを見放したようです。皆さんに幸運を祈ります。絶対にめぐり合えないと思いますが。

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