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黒きヒレ:外国での冒険、パート1

黒きヒレのケシュの従者にして専属補佐官、ミー・シー著

私は最初、偉大なる黒きヒレのケシュに仕える単なるカーだった。
サクスリールの言葉で、カーとは見習いのような意味だが、ノルドやダークエルフの見習いが持つ責任や義務は必ずしも伴わない。
後になってケシュが私たちの同盟者の風習を取り入れ始めてから、私は黒きヒレの従者と呼ばれるようになった。
ピーク・エリールが軍団を去ると決めた時、私は偉大なるケシュの人生に起こった重要な出来事を記録する義務も引き継いだ。
理解してほしいのは、これはカーとしての役割に付随する義務ではないということだ。
これはピーク・エリール本人から私に伝えられた義務であり、ケシュは表立ってこのことを知らない。
私はこの義務を進んで引き受けた。

では、どこから始めよう?
同盟が形を成し始めた日からにしようと思う。
3つの国(私は自分の民を1つの国と呼ぶのは難しいと思うが、ノルドやダークエルフにとってはこの呼び方の方がいいらしい)は戦場で出会い、協力してついに侵略するアカヴィリを打ち破った。
アカヴィリはウィンドヘルムを陥落させた後、注意を南東へ向け、モロウウィンドへ進軍を開始した。
アカヴィリの侵略軍がモロウウィンドへの道を切り開くと、トリビュナルのアルマレクシアに率いられたダークエルフ軍が、侵攻を止めるための防衛線を張った。
その間、ジョルンとノルドたちは自らの軍勢を集結させ、アカヴィリに背後から追いついた。
アカヴィリは2つの強力な軍団の挟み撃ちに遭ったが、それでも挟撃を持ちこたえた。
そのままならアカヴィリが勝利していたかもしれないが、それは私の推測に過ぎない。
いずれにせよ、それを確かめる機会はなかった。

サクスリール・シェルバックと沼の戦士たちで構成されたケシュの歩兵部隊がアカヴィリを南から襲い、侵略を終わらせる貢献をもたらしたのだ。
ブラック・マーシュにおけるダークエルフの奴隷商人との戦いで経験を積んだ私たちの兵士は、侵略者を圧倒するために必要な切り札だった。
私たちは全力でアカヴィリに襲いかかった。
ケシュは友人のジョルンを手助けすることを望んでいたが、軍団を沼からモロウウィンドの中心部まで進軍させることには、先を見据えた動機もあった。
彼女は他の国にサクスリール、すなわちアルゴニアンの価値と誠実さを認めてもらいたかったのだ。
私たちは原始的な蛮族ではなく、奴隷でもない。
私たちは他の民と同等であり、彼らを侵略者から守るためにいるのだと。

勝因が全てケシュ軍団の参戦のおかげであるとは言わないが、私たちも役割を果たしたのは確かだ。
私たちは猛々しいノルドと狡猾なダークエルフについて勇敢に戦い、一歩前進するたびにアカヴィリの兵士たちを殺戮していった。
エボンハートの街付近でようやく戦闘が終結し、勝利を手にすると、ケシュは他2つの陣営のリーダーに急いで会いに行った。
私は忠実な従者として彼女に従った。

あれほど多くの強大で重要な人物たちが一堂に会したのは見たことがない!
ノルドの吟遊詩人ジョルンについての物語は聞いていたが、本当にあれほど大柄だとは想像もしていなかった!
そして、ダークエルフたちが神と崇拝するアルマレクシアは冷たく美しかった。
鱗も尻尾もないエルフにしては、だが。
ジョルンが歩み出て、ケシュに旧友として挨拶をした。
「俺たちは大きな借りを作ったな、黒きヒレよ」
とジョルンはその大きく響く声で言った。
「今日、お前たちのかけがえのない支援への感謝として、ノルドとダークエルフは何を提供できる?」

ケシュは長い間沈黙していた。
まずはジョルンに熱意のこもった視線を向け、次いでアルマレクシアに注意を移した。
モロウウィンドの母へ目を向けたまま、ケシュはついに返答した。
「アルゴニアンの奴隷をなくすこと。
私の民を解放してほしい」

アルマレクシアとジョルンは視線を交わした。
大柄なノルドの視線は全くぶれなかった。
少し経って、ダークエルフのリーダーは軽くうなずいて言った。
「理にかなった要求です。
ダークエルフはその願いを尊重しましょう。
ただし条件が一つあります。
アルゴニアンはダークエルフ、ノルドと共に、相互の協力と防衛の条約に加わらなければなりません。
そうすれば、我々三国の全員が自由でいられるでしょう」

こうして、次の日まで続く一連の交渉が始まり、それはエボンハート・パクトの形成という結果になった。
ケシュは自らの戦力を北方に留め、新たな同盟者たちの防衛を補強することに同意したが、その前にストームホールドへ伝令を送り、私たちの民に知らせを伝えた。
奴隷制は廃止され、アルゴニアンは今やノルドおよびダークエルフの同盟者となった。
私たちは政府を持たない。
少なくとも私たちの新たな同盟者たちのような政府は持っていないため、ケシュはノルドとダークエルフの領地に残ってサクスリールの地位を確立し、様々な合意が正しく適用されることを確かめることを決断した。
その間、彼女はゾシンをブラック・マーシュに送り、同盟の首都で大使となる者を探させた。

このようにして、アルゴニアンはエボンハート・パクトに加入した。

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