でこぼこを込めて

<この袋は奇妙にでこぼこしていて、小さないびきが聞こえる>

わあっ！ あなた、誰… ここはどこよ？ えっ？ もうやめてよ！

あのね、昨夜何があったか知らないけど、全部ワインのせいよ。私のせいじゃない。飲み過ぎるとこうなっちゃうの。大げさに騒がないで

私、ゆうべあなたと一緒にセンシャルを出なかったでしょ？ なら話は簡単。私をブラックハイツに戻してくれない？ 姉さんは心配してるし、あたしはハイキングに行けるような状態じゃないしね

夜のお出かけって楽しいじゃない？ で、時々ちょっと飲み過ぎて、誰かに拾われることがあるの。膝の上で眠っちゃって、それを可愛いと思われたりしてね。気持ちはわかるわ、私だって家に連れて帰りたくなっちゃうもの。でもね、私野良猫じゃないの

ううん。たいていは誰かの部屋の枕で目を覚まして、ペットにはならないわって説明する羽目になる。時には引っ掻いて窓から逃げ出すこともあるけど、それについては話したくないわ

で、私は家に帰れるの？

ジェイサが掃いたばかりなんだけど？ 妹と同じくらいひどいわ

どうしてこの者の邪魔をするの？ ジュイサは仕事が忙しいの。掃除と修理でね。この家族で働いてるのはこの者だけ！ 他の誰も、手伝おうかとも言わないのよ！ みんなお絵描きに夢中。怠け者なんだから

月にかけて、ジャネッサは今度は何をしたの？ あなたの飲み物を盗んだ？ 手すりに置いておいた物を壊した？ 知り合いの目をほじくりだした？

では、まだ手始めね。彼女が家に帰ると、数日もすれば破壊的なことが起きるの

厄介をかけたお詫びに、報酬を受け取って。それから、彼女は叩き出すことね。あの厄介者に慈悲をかけてもしょうがないから

あっ、ちょっと！ 私は家まで「運んで」って言ったの、投げないで！

彼らがいなかったら、ごみとして捨てられてたわよ。ジャガイモ袋の山に埋められてたかもね。今度は何をしたの？

見下さないでよ。私が言いたいのは… 人生で一度くらい、好き勝手するのも悪くないってことよ

あなたがそう思ってくれたなら嬉しいわ。ジュイサが1週間休みを取ってる間、雑用を引き受けてくれてありがとう

もう… 勘弁して

怠け者の妹を家まで引きずってきてくれてありがとう。できるだけ長く、面倒には近づけさせないようにするわ。今度同じことが起きたらあいつを箒に縛りつけて、モップにしてやるんだから

雑用ですって…？ 目が覚めたらばあさんのがらくた屋にいて、古くてだっさい人形の服を着せられそうになった時くらいひどいわ！ あの女ったら、私の言い分を一切聞かずに、他のカジートたちが何人もいる地下室に放り込んで箱詰め作業をさせたのよ！

信じられる？ 配達に紛れ込んで、かび臭い荷馬車に積まれたクッションの山と一緒に出荷されるまで、1ヶ月もあそこに閉じ込められてたのよ

あのばあさん、どうかしてるわ。自分の赤ん坊みたいに話しかけてくるのよ。クリームとクッキーは美味しかったけど

ゴミばあさん。むしろ忘れたいわ…

詰め物をされて、他のお気に入りと一緒に棚へ並べられるかと思ったんだから。地下にいる連中よりはましだけどね。あいつらの半分は、昼も夜も荷物を詰めるだけのゾンビみたいなものよ

違うの、私が問題を起こしてるんじゃないの！ この愛らしさが罪なのよ。だってみんな、あたしを勝手に連れていこうとするのよ？ どう見たって誘拐じゃない！ あなたが咎めるべきなのはそっちでしょ