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書籍

静かな水の日記

もうこれ以上先延ばしにはできない。ドラシは正しい。内地へ行くべきだ。デシャーンに行って、故郷の沼地に行くのもいいかもしれない。空気中に灰が多すぎる。地平線の彼方で戦争の音が聞こえる。三旗がストンフォールへやってきて、無所属の我々には居場所がない。ここは気に入っていたのに、残念だ。
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シュルドラシと2人で、アッシュランドで軌道に乗ってきている。キノコの裏や火山の火道に、いつだって汚い仕事はある。彼女が名家のダンマーの相手をして、私はアッシュランダーと話す。うまく稼げているし、進みたい方向へ進んでいる。この調子で続けばいい。
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野生の生活も全然悪くない。彼女も問題なさそうだ。ダークエルフを相棒にする日がくるとは思わなかった。だが彼女はちゃんと私に敬意を払ってくれているようだ。シュルドラシは余計な質問をしないし、命令もしない。ただ仕事を遂行する。何時間も無言で過ごす日だってある。そういう意味で、彼女は風のような存在だ。
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ドーレス家のくびきから逃れてから、もう何年も経つ。いまだに古傷が痛む。あの日、私は主にとっての自分の価値、ダークエルフにとっての自分の価値を知らされることとなった。夜になると風の音を聞いて、私をどこかへ連れ去ってくれないかと願った。

逃げ出したその日、短剣を手にした。奴が私を切りつけた短剣だ。生きている限り、それがあの時のことを思い出させてくれる。忘れるわけにはいかない

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