書籍

ホタルに捧げる歌

冷たい月のない火耀の夜
私の窓に明かりがともった時
みすぼらしいホタルが赤らみ
側を飛び、声をかけてきているようだ

「ごきげんいかが? 」と私が聞いた
顔をその光に浸らせて…
「まあまあだよ」と彼は言い
「でもみすぼらしい木を離れなければいけなかった」

それは悲しいことだと私は思い、言った
「ではこれからはどこで横になるんだ? 」
雨風をしのぐ場所を探しているのだと思ったが
彼は虫として、おとなしく聞いてきた

「今夜南の岸へと向かい、
そこで冬を迎えることにする」
私がどもりながら言葉を返す前に
彼は高く空へ飛び立った

そして私は1人考えにふけった
彼は住み家を失ったのでは、と
私の住まいに来て、ねたんでいるように見えた
いや、嫉妬しているのは私のほうだった

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