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書籍

鍛冶: やりがいある努力

鍛冶場の偉大な賢人、クイナアモ著

鉱石と槌があれば誰でも金床で粗野な武器くらいは作ることが可能だ。それはそのとおりだが、太くてがっしりした腕だけでは巧妙な技術を習得できない。私の仲間のアルトマーには、平民のやることだと言って、武器の鍛造をあざ笑う者もいるかも知れない。しかし、それは自分の惨めな無知をさらけ出しているだけだ。武器の形や機能、様々な素材の効果の謎を解明することは、明晰な頭脳だけでなく、屈強な体、毎日何時間もの実践を通して得られる忍耐が必要となる一つの事業である。

極めて無双の武器を作れるようになるには、長い時間をかけて研究をしなければならない。徐々に新たな秘密を解明していくことで、さらなる貴重な新事実が見つかるのだ。多くの鍛冶によって作られた、あらゆる様式から武器を学ばないといけない。武器を分解し、結果を念入りに分析し、独特な性質の源を特定するのだ。武器の鋭さ、成分材料、バランスは、精査すべきもの一握りの要素でしかない。

当然、様々な種類の武器を無視はできない。剣から、斧、槌、片手持ちから両手持ちの武器まで、それぞれが研究分野である。1つの武器の知識を突き詰めるか、幅広く様々な武器の知識を求めるかは、完全に鍛冶屋次第だ。とはいえ、完璧を求めるすべての者が行き着く先は同じであるべきだ。つまり、すべての武器の特徴を大局的に理解し、武器に創作を加える方法を獲得することだ

お分かりのとおり、武器作りは、単に敵を攻撃する金属の棒を作ることと大きく異なる。クラフトの複雑さは、いかなる魔法の研究と同じくらい奥深く、時間、研究、実践を通してのみ達人への道が開かれる。

鍛冶の仕事はがさつで無教養だと、言いくるめようとする人が出てくるだろう。そういう人に出会ったら、ニッコリと微笑み返そう。あなたは自分が価値ある道を進んでいると理解しているのだから。知識の飽くなき探究心を通して創作の向上に不可欠な努力をすることによって、あなたを侮辱した人たちが死に忘れ去られても、あなたの仕事は後世に語り継がれるのだ。

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