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書籍

議論の叩き台

レールビン・ネラノ著

伸縮性か保護性か? ネッチかグアルか? 近所のコーナークラブで、マッツェを飲みすぎた人たちが熱く議論しているのをあなたも見たことがあるかもしれない。この件に関してはほとんどの職人が自分のやり方、伝統、商品を宗教的ともいえるほど高く評価している。私は中立的な立場で双方を紹介し、あなた自身で判断できる材料を提供したい。

タムリエルで最も上質な革は、モロウウィンドに生息するグアルとネッチからとられている。これについては議論の余地はなく、タムリエル中でそれらに匹敵しうる革は存在しない。これら自然にさらされた獣の皮は加工もしやすく、それと古代からのなめし技術も相まって、モロウウィンドの外で使われる熊やマンモスなどの革よりも頑丈なものが出来上がる。どちらも非常に上質な革だが、それでもどちらが防具として勝っているかの議論は絶えない。

ネッチ革の方がだいぶ薄い。曲がったり伸びたりしやすく、グアルのものに比べて染料にも強いので、繊細な装飾品には向いているといえる。同時に機動力を求める戦士にとっては理想的である反面、熱して強度を上げたとしてもやはり比較的破られやすい。さらに欠点を挙げるとすれば手入れに手間がかかることだろう。戦闘で使える状態に保つには毎週オイルとドゥルーワックスで磨かねばならない。また、ネッチ革は手に入りにくい。彼らは怒らせると危険で、熟練のネッチハンターでさえも恐れる強烈な毒を持っている。

対してグアル革は分厚く、全体的に重めの防具となる(当然ながら鉄の防具の重さには及ばないが)。そのため比較的作業が難しくなるが、防御力と耐久力には優れたものに仕上がる。頑固な伝統主義者に言わせるとグアル革の方が歴史が長く、先祖への敬意を込めてこちらを使うべきだそうだが、これについては私の知る限り証拠はない。機動力よりも防御力を求めるならば、グアル革の防具の方がお勧めだ。

どちらの革が防具として優れているかについてはどの職人も確固たる意見を持っているが、私はどちらにもなびかない。私の意見では着る者によって選ぶべきものが変わるからだ(防具職人もこの手のアドバイスはしてくれるが)。これであなたも防具の選び方について少し詳しくなれたのではないだろうか。ネッチを選ぼうがグアルを選ぼうが、はたまたそれらを組み合わせた特殊なものを選ぼうが、戦場での武運を祈る。

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