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書籍

セナンのメモ

ナサリめ! ここで俺たちに選ぶ権利があると言ったのに、何人かが死ではなく生きることを選んだら死を与えやがった。俺は怪我を負った。これが致命傷となるだろう。少なくとも逃れては来たが。

ナサリは生贄として死ねば永遠に生きられるようになると言って、クランの他の者たちを説得した。だが俺は真実を知っている。この儀式は力が目的だ。最後には彼女だけが残って褒美を獲得する。

下の闇への降り口から詠唱が聞こえる。もうすぐ生贄が始まる。ここで孤独に死ぬのと、仲間と一緒にあの恐ろしい穴へ投げ込まれるのとでは、どちらがより悲惨だろう。おかしなものだ。ブラダンはいつも俺に読み書きを覚えるなど時間の無駄だと言っていた。だが少なくとも、おかげで体から血が流れ出ている間に、やることができた。

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