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書籍

循環するドゥルーのライフサイクル

循環する地上ドゥルーのライフサイクル(要約版)

フロント・メシリウスによる実地研究メモ

この原始的種の起源に関する現地の伝承とは異なり、ドゥルーはアビシアン海から、イリアック湾に流れる湖や入り江に移住した。彼らの爪のような腕やはさみ、そして鋭い脚は人間の胴体サイズの骨格から突き出しているが、それに加えてドゥルーは鎧のような表皮と甲殻から分泌されるロウをまとっており、それらは一定の地域で珍重されている。ドゥルーは水棲のゴミ漁りであり、大部分の時間を深海の水中で過ごしている。地元の漁師はこの種族とのいさかい(たとえばドゥルーが漁師の網を切って魚を盗むなど)について話してくれるが、ドゥルーは大抵の場合おとなしい。ただしカルヴィナシムと呼ばれる変身期の間は別である。

カルヴィナシムの間、ドゥルーは地上を歩き、開放水域に近い海岸線の沼や川に好んで落ち着く。幼生はそばで見守られ、卵の母は縄張り意識が非常に強く、侵入者には素早く、敵対的に反応する。これはカルヴィナシムがドゥルーの母性本能を高めるという考えに根拠を与えている。実際、我々の地理学者主任であるパルチェリウス・ポンプティヌスがはらわたを引き抜かれてしまって以後、我々の襲撃チームはこれ以上の個体を捕獲して処理することを考え直した。

1年間の地上歩行の後、ドゥルーは水中に帰っていく。彼らは水に沈むと「メフ」として知られる最後の変身を始める。そこで彼らは自らの地上用の皮膚と大気用の臓器、つまり不要になった体の部分を食べてしまい、凝固したその残部を、1フィートほどの直径のある繊維質の球にして吐き出す。この悪臭のする不快な球は「グロム」という名で知られ、湖周辺の群れの中で見つかる。現在までのところ、我々の薬剤師はグロムに何の薬効も発見できていない。部隊の中でも胃の弱い者に吐き気を引き起こす程度である。

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