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書籍

テルヴァンニ家の地位と肩書き

学者アンドゥンリリーによって、アリノールのアルウィナレ女王代理の宮廷のために作成された報告書

宮廷の皆様方にご挨拶を申し上げます。

私はアルドメリ・ドミニオンの魔術師にして顧問であるペネウェンの依頼により、ダークエルフとも呼ばれる我らの親類ダンマーの社会について説明し、要約する役目を仰せつかりました。ダークエルフは諸々の家に分かれ、それらすべてに固有の内部社会組織があります。本報告は最も複雑な層構造の社会を有するテルヴァンニ家のダークエルフにほぼ限定してお伝えいたします。以下に記すものがテルヴァンニ家の地位です。

「奴隷」は通常、社会的地位に含まれません。所有物と考えられているからです。ダークエルフの家の大半は、エボンハート・パクトに加入した際にこの忌むべき実践を放棄しましたが、テルヴァンニ家は奴隷制を伝統とみなし、奴隷の所有を地位の証と考えています。

「雇い人」は地位と認められている中でも最下層の存在であり、高位のエルフ家によって直接雇用されている自由人を指します。この地位に含まれるのは主に召使、書記、傭兵といった者です。雇い人は望むままに受け入れることも追いだすこともでき、タムリエルのどの民族でもよく、打算的なテルヴァンニには使い捨ての手駒として扱われています。雇い人の家族は独立した存在であり、正式に家の一員と見なされることはありません。

「家臣」は雇い主の家へ正式に受け入れられた雇い人です。家臣はより恒久的な仕事や住居を持ち、テルヴァンニの誓約者と直接やり取りします。家臣は家の許可があれば結婚も可能で、自分と同じ地位の者と結婚する傾向にあります。家臣の子もまた家臣と見なされています。

どのテルヴァンニの家も、その大部分は「誓約者」で占められています。他の名家もまた雇い人、従者、誓約者の地位を用いますが、テルヴァンニは他の名家よりもこれらの地位を強調する傾向にあります。誓約者の活動にはより自由が認められており、家を補佐するため個人的に行動することが期待されています。誓約者の子は誓約者と見なされます。

「法執行官」、「スペルライト」、「代弁者」はどれも、専門化された誓約者です。これら3つの集団は、自らを一般的な誓約者よりも優れた地位にあると見なしています。法執行官は衛兵や看守など、複雑なテルヴァンニ法制度の公的な代弁者です。スペルライトは中堅クラスの力を持つ魔術師であり、しばしば初めて大きな責任を担わされた見習いが就く地位です。

テルヴァンニの「代弁者」はより大きな責任と、より高い地位を担う存在です。彼らはより強大な魔術師(魔道師やマスター、賢者、アークマギスター)に仕え、その公的な発言を代弁し、大部分の領域で代理人の役目を果たします。彼らは主人の声で語り、行政事務を動かす存在です。各代弁者は、自らの主人の代理として大きな権力を有しています。

「魔道師」はテルヴァンニ家において最初に真の権力を有する地位です。このレベルの地位を獲得したテルヴァンニの魔術師は誰でも、マスターや賢者を含むより大きな地位を目指すことができます。

「マスター」は強大な力を持つ貴族の魔術師によって構成されています。マスターはテルヴァンニ家の評議会に一つ以上の席を得ることができ、その中にはマスター評議会や権威あるテルヴァンニ評議会も含まれます。評議会への所属権は評議会そのものへの招待状です。アークマギスターが評議会を率い、評議会はテルヴァンニ家に対する主要な脅威に対処する責任を担います。また危機の時にはホーテーターを選抜する役目も担っています。

「ホーテーター」は希少かつ、一般的に特異な性質を持つ地位です。ホーテーターはどのダークエルフ名家にも存在し、テルヴァンニ社会では非魔術師が占める最高の地位です。ホーテーターは危機の時代に任命され、広範な権威を与えられます。過去のホーテーターには強力な戦士や才能ある誓約者、さらにはオーディネーターも見受けられます。ホーテーターは緊急事態が持続している間のみ、戦争の指導者の役割を果たします。ホーテーターはマスターよりも上の地位ですが、マスターはホーテーターの権力をいつでも棄却できます。

「賢者」はマスターの地位を獲得した魔術師の中で最も強力な者を指します。合意によって得られたにせよ、別の方法によって他のマスターたちを納得させたにせよ、賢者の肩書きはその魔道師がアークマギスターと対等か、あるいはそれ以上の力を持ち、アークマギスターの地位に挑戦する資格を持つと見なされていることを意味します。

「アークマギスター」はテルヴァンニ家公式のリーダーであり、テルヴァンニ評議会によって選出されます。現在のリーダーはネロス・オセリで、この人物には自分の書斎で孤独に過ごす以外の望みはありません。評議会の残りの者の大半はこれと同じ考え方を持っているため、彼の支配は未だ脅かされていません。テルヴァンニ家の危機が速やかに、かつ静かに、他の者によって処理されている限り、オセリの支配は安泰でしょう。

地位を上がることは努力によって可能です。空いている地位の数は限られているため、昇格には激しい競争が伴い、地位の低いテルヴァンニはしばしば陰謀(政治あるいは毒)によって上位者を取り除き、昇格のための機会を作ろうとします。

この最後の特性により、外部勢力が地位の低いテルヴァンニを利用して騒乱を引き起こし、問題のあるリーダーをより受け入れやすい者に置き換える機会が生まれやすくなっています。野心のある個人なら、テルヴァンニ家が弱体化するような状況を容易に作りだせるでしょう。この方面に関してはさらなる調査を行う価値があると思われます。

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