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ガルー・リサリの書きかけの日記

かつての私は高い名声を得ていた。ボイアント・アーミガーの有望なチャンピオンとして一族の名を世に知らせ、我が名に敬意をもたらした。欲しがりも後悔もせず、ヴィベク卿とトリビュナルに仕えて生涯を全うするものだと思っていた。名誉ある死を予見していたのだ。歌に唄われる、戦場で迎える名誉の死を。いかにそれが間違いだったことか。

バル・ウルについての噂を全て考えれば、最後と思われた戦いで敵が迅速に対応することを予想すべきだった。オーンデイ族の吸血鬼は、自分たちの遺産にとって重要な土地を積極的に取り戻そうとしていた。吸血鬼たちは音も立てずに我々を襲い、私が指揮していた無警戒の戦士たちが剣を抜く前に、そのほとんどを殺害した。私の反応は遅れた。数多くの立派なアーミガー達の死に対して、私には責任がある。

劣勢で孤立した私は、敵に屈した。紳士のような装いの怪物に名誉ある待遇を望んだが、気がつくと私は血を飲む怪物の餌になっていた。

バル・ウルの奥で数日が経過し、私は死に際して夢を見始めた。それは当初、神々しいものだった。バール・ダウの影のおかげで汚れのない、ヴィベク・シティの海岸から吹く暖かいそよ風を感じた。近づいてくるヴィベク様の嬉しそうな顔を見て、私は愛と優しさで包まれた。許しと平穏を感じたが、近づくにつれ、ヴィベクは何か本当に不快な、言葉では言い表せないほど邪悪なものへと歪んでいった。すぐにモラグ・バルの無情に笑う姿に気がついた私の心臓には、デイドラ公の牙が突き刺さっていた。恐怖で目が覚めた私は震え、死以上の冷たさを感じた。しかし、胸の中で音がしないことが私の感染を明らかにしていた。私の病を。

自分の腐敗によって辱められ絶望した私は、オーンデイ族へ従順に馴染んでいった。獣だけを狙い、人は獲物にせず、他の者には近づかないようにした。それでもやはり希望は捨て、獣のように生きた。

今の私は、自分が渇きから逃れたいことに気がついている。この辛い苦しみを緩和するには、定命の者の生きた血を堪能しなければならない。それは新たな罪のない者を死に追いやるか、それ以上にひどい仕打ちをすることになる。そうするくらいなら、レッドマウンテンの炎へ飛び込むだろう。それでも、私の自己嫌悪がどれほど欲求を抑えられるのかはわからない。事態はこれまでのように続かない。何かしなければならない。だが、一体何を?

アシャルマウィア。私の同族が、遺跡を巡る虫の教団の主張への不満をつぶやいている。彼らは災いの王の支持を得るための儀式や、祠へ祀る生贄の話をしている。彼らのこういった行為に対する嫌悪感は共通するが、理由はまったく違う。私はアシャルマウィアの見張りを進んで引き受け、ほとんど気づかれぬままオーンデイ族からこっそり離れた。

これに慣れてはいけない。信者を害虫だと考えるのは簡単だが、彼らを殺してきた私は同様に怪物だ。彼らの血は私の苦しみを晴らす慰めで、活力と至福を置いてくれる。私が犯したことを嫌悪する心が生まれたのは、血を吸った後だった。この場所で最期を迎えるなら、それが私にはふさわしい。

いや、この哀れな存在にふさわしいのは、この存在が始まった場所で滅びることだ。この苦しみにおいて、私の思考はいつでもバル・ウルへ戻る。おそらく、私自身も戻るべきなのかもしれない。

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