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書籍

杖1本に多くの杖

スカヴィンの下手くそ大工、ホアリー・ドゥロッツェル著

ようし、若者どもよ、つま先でナイフゲーム遊びをするのをやめて、こっちに集まれ。杖の作り方を軽く教えてやろう。そうだお前もだ、かわいいデフェサス!

まずハッキリと言っておくが、杖は杖であり杖だ。間抜けの頭蓋骨に良識を悟らせるために使おうが、充電してクリフ・レーサーに衝撃の魔法を放とうが、杖は杖だ。いずれにしても、目的達成のための試練に耐えうる強度がなくてはならない。また力にムラがあったときに折れてしまったり、曲がったりしないよう、十分にしなやかである必要もある。これは回復の杖でも同じだ。というのも、回復の魔法は攻撃の魔法と同じくらい威力があるからだ。見くびってはいけない。

カエデ、カシ、トネリコ、それにニレ。または別な高密度の木材で杖を作ってみたくなるだろう。杖は何百回、いや何千回と打たれても立っていなくてはならないからな。しかし、内部は宝石のように頑丈でなくてはならない一方で、杖の表面はディベラの尻のように滑らかでなくてはならない。杖の使い手は、どんな長さの杖でも、至る所を握る必要があるかもしれないからだ。ファイアボールを手にし、裂けたカシを持って近づいてくる、怒った魔法使いと対峙せざるを得ない状況に陥りたくはないだろう。

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