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書籍

遺物の悪の発見に関して

銀の薔薇騎士団とあの日に起きた全てのことに関する考えをまとめている間、私はある不愉快な事実に気づいた。それはどんな地位にあっても、あらゆる者がアズラの届かない影に落ちうるということだ。

自分の目で見たものを信じたくない。私があれほど尊敬した騎士たちがあのような… 悪と化したことを認めたくない。守ることを求めた騎士たちが、守るべき相手に牙をむいたなどと言いたくはない。だがこれらは全て事実なのだ。

かつてオブリビオンに対する防波堤として戦ったあの獣が、堕落する以前の自己をわずかでも保っているのかどうかは、私の理解を超えている。保っていないほうがいい。彼らのうちで「これは間違っている」と叫ぶ囁き声が響いていないことを願う。オブリビオンの何が変化させたにせよ、それが彼らの心から記憶の最後の一片まで奪い去ったと思いたい。彼らの行動を見れば、そう思わざるをえない。

起きてしまったこの事態を、オブリビオンの不思議を抑制しようとする全ての者への警告としよう。あれは定命の者が持ってはならない力なのだ。

私は日没にアズラへ祈りを捧げ、オブリビオンの魔術から守るよう願おう。デイドラ公ほど力のある存在であれば、私が目にした運命によく耐えられるかもしれない。

――ウェイリン

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