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書籍

喪心の嵐について

レイヴンウォッチ家のフェノリアン著

このメモはいつか喪心の嵐とその背後にある魔法に関しての論文となるだろう。最終的に、発表できるような質に高める時間があればだが。

喪心の嵐はアイスリーチ魔術結社の魔法と、古代の吸血鬼の錬金術が融合して創り出された神秘的な天候現象だ。何の前触れもなく襲い掛かり、去った跡には死を残していく。私はこの超自然的な嵐が残した惨状を見た。引き起こされた力はその内部に捕らわれた生者を殺すか、我々が喪心者と呼ぶようになった、ほぼ心を持たない抜け殻にできる。だが、中には現在我々が喪心鬼と呼ぶ、新種の野生化した吸血鬼になる者もいる。もちろん、嵐に捕らわれた者全てがこうした苦痛を受けるわけではないが、誰が死に、誰が変化し、誰が無傷でいられるのか、その理由をまだ特定できていない。

この現象を研究する中でほぼ確信を持って言えることは、喪心の嵐がある種のリーチの魔法の儀式によって創り出されることだ。儀式では集中し魔法を解き放つための儀式的な詠唱に加えて、ある種の呪物やトーテム、錬金術の調合薬など、様々なアルケインの材料を使用する。

結果として生じる災いは喪心の嵐の最終的な目的なのか、あるいはより陰湿な目的の副産物に過ぎないのかはまだ分かっていない。また、この超自然的な事象の背後にいるのが何者なのかも、確かには分かっていない。嵐が犠牲者を殺害し変化させる方法と、犠牲者が奪われたものを回復させる方法があるのかどうかについては、さらなる研究を要する。時が来れば分かるだろう。

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