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書籍

ヌザヴァの金床

金属細工師の初期クランの中で、最も尊敬された金属細工師の一人がモークル・クランホールドのヌザヴァだ。
篤く尊敬されたこの鍛冶夫人は、モークルの武器や鎧の特徴的なスタイルを決定づけた。

腕前を買われて引っ張りだこだった彼女は、要塞間の移動のお供として持ち運べる、旅用の特製金床を持っていた。
その金床に刻まれた精緻な彫り物は、秘密のルーンではないかと疑う者も少なくなかった。
彼女はそうした噂を一笑に付し、自分の技は魔力で高めるまでもないと言ったが、噂は消えなかった。

真偽はともかく、伝説ではヌザヴァの金床を使おうとした鍛冶屋の誰もが仕事中、事故に見舞われたという。
槌が壊れ、金属が粉々になり、誤って指を強打することさえあった。
ヌザヴァは異国への長旅から戻る途中、金床もろとも姿を消した。
氷の岸から彼女はすぐに帰ると伝言をよこしてきたが、彼女が現れることはなかった。

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