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書籍

スキーヴァーラ目に関するメモ

学生の日記

蒔種の月14日
大学での研究が終わりに近づき、周辺地域に自生する野生生物の研究を始めるつもりでいる。主に、あまり研究が行なわれていない生物分類である、スキーヴァーラ目に焦点を絞ることにした。もっと人気のある巨大虫やトロールを対象として選ぶよりも、ずっと安全な研究だ。そうしたリスクを避けることで、傭兵を雇う必要がなくなり、より少ない経費でより遠くまで移動できるようになる。

蒔種の月16日
今日、正式に旅が始まった。街の防壁を通ったついでに、下水道やゴミ溜めに群がっていたネズミをたくさん観察した。日常生活ではよく見過ごされがちだが、街の中でかなりの存在感を誇っている。私達の出す廃棄物の中でそれを餌にして生き、一般的なネズミは人が住みづらい厳しい気候の中でも悠々としている。ネズミがいるとやがて疫病が広まることも多いため、大規模な地域社会における災いの元の一つである。

蒔種の月21日
街の境界のすぐ外へ出ると、さらに幅広い野生生物が見受けられるようになった。街の外側で最もよく見られるスキーヴァーラの例は、兎だ。兎は通常、草地や森林に生息している。地下にある巣穴の中で、数多い天敵から身を隠している。兎をペットとして考える者もいるが、パイかシチューの中で見る方が圧倒的に多い。

今日がホギトゥムだということを思い出したのは、年1度の儀式を森の中で行なっているダンマーの司祭2人に危うく出くわしそうになった時だ。避ける方が良いと思って、気付かれる前に静かに立ち去った。

恵雨の月7日
もう2週間雨が降り続いている。濡れないでいることは不可能だ。火を消さずにいられるのは、大学で受けた初歩的な魔法の授業のおかげだ。大雨がひどすぎて、野生生物の観察はできていない。狼でさえ隠れている。

小さな生き物も興味深いのだが、何かもっと… 刺激が欲しい。雨がやんだら、別の場所で研究を続けるかも知れない。

恵雨の月12日
やっと雲に切れ目が!

恵雨の月14日
野生のスキーヴァーの巣を発見し、観察を始めた。親戚であるネズミと同様、スキーヴァーも疫病を広めることが多い。ただし、スキーヴァーは大きな肉食獣にとって主要な食料だ。ジャイアントスパイダーの巣の中には、常にいくつか絡まっている。キャンプファイアの上で料理されているのを見掛けることも珍しくない。

明日は、より間近での観察と解剖のためにスキーヴァーの捕獲に挑戦する。スキーヴァー1匹くらい、簡単なはずだ。

恵雨の月15日
今日、スキーヴァーを1匹捕獲しようとした。でも、捕獲できるほどの距離まで接近する前に、匂いに気付かれてしまった。逃げはしたが、かまれた傷跡から菌が入り込んだらしい。単独で旅をするのは賢い選択ではなかったかも知れない。

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