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書籍

ニーロのメモ

シャジャ・ヌシュミーコ20日

今日はまた水の女を見た。彼女のことはこう呼んでいる。占いの器を満たすと、程なく彼女が現れる。彼女は決して喋らない。こちらを振り向くが、目は影に覆われている。黒いフードに隠されている。乾いた肌の基準で美人だとは思うが、冷たく感じる。雪解け後の川の水のようだ。理解できない。俺はアーティファクトしか求めていない。なのにこの女性しか見つからない。ザレイの話では、俺のやり方が間違っており、手違いで哀れなブレトンの店を覗いたらしい。だが、彼女が正しいとは思えない。

シャジャ・ヌシュミーコ22日

沼水の代わりに占いの器を紅茶で満たした。巻物によると、繰り返す幻視は葉の小片と種が突破口となるようだ。こうなったら何でも試してやる。あの水の女を見るたびに、アーティファクトを見つける可能性が下がるのではないか。

今日は彼女から逃れられた。彼女の口に集中して、通り抜けたのだ。はためく翼のようなものがあって、その後は無になった。暗黒だ。ヘルストロームのハートマッドのようだった。俺は目を細め、鼻孔を閉じ、背骨を曲げた。流れに逆らい、泳ごうとしたのだ。それでも何もなかった。

この無が何かを意味しているのだろうか? 正直に言うと、俺は恐ろしい。スカルディアはゆっくりと進めと言うが、あの水の女は怖い。闇が怖い。楽しみにふけろうとしているようだ。それも長い楽しみに。

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