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書籍

ヒストの神話と伝説

シランティレ著

潰瘍やグリーンスポア、その他のより激しい衰弱を伴う病気を厭わない者たちは、高位の種族によって地図に記されていないブラック・マーシュの区域に分け入っていくかもしれない。沼の腐敗やニクバエの噛み傷、そして叫び声をあげ歯を打ち鳴らし、あるいは単に暗がりに横たわり、あなたの手足に齧りつく機会を待っている見えない生物たちの止むことのないわずらわしさに耐えられる少数の者は、沼の最奥に到達できる。インペリアルの探検家で最も頑強な、これ以上勇気を証明する必要もないほどの発見をなした者であれば、ヒストの樹を目にすることができるかもしれない。

噂によればヒストの樹は、この暗い沼地の鱗を持つ民の間での、主要な崇拝の形態であるという。一部の者の仮説によるとこの木は知覚能力を持ち、深い知識と、人間とエルフのあらゆる種族以前の時代に遡る計り知れない秘密を持っているという。近年発見されたダンマーの文書の大まかな翻訳は、アルゴニアンの間で行われる儀式の存在を示しているようだ。しかしこれとても、事実よりは伝説に近い。

サクスリールは未熟状態を脱した時、近くにヒストの樹を見出し、その幹から樹液を吸ったと言われている。樹液に含まれる成分はホルモン分泌を加速させ、それはアルゴニアンの性別を決定する器官を成長させる。そのすぐ後に適切な相手が見つかり、交配が行われる。雌は間もなく1つかそれ以上の卵を産み、それは熟成と孵化の場である孵化槽へと運ばれる。

最近行われた、ブラック・マーシュ中央部のインペリアルによる探検が不完全に終わったこと(埋葬地はコルニクス・ケパリウスが提供した地図に記されていた)、また甘言を弄したにもかかわらず地元住民がこの寓話的な木の謎について話すことに積極的でなかったため、我々のヒストの樹についての知識は、驚くほどわずかなものに留まっている。

インペリアル城庭園の主任園芸家ティチュリニア・ペティリアは、もし発見された場合、この木から得られる樹液や種の扱いと回収には細心の注意を払うよう要請している。我々の薬剤師たちにとって大きな利益をもたらすかもしれないからである。

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