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書籍

メル・アドリスの日記

この地域に入ってまだ短い時間しか経っていないが、すでにスカイリムもリーチもその面影がなくなっている。この病気に対する私の戦いの中でも、これほどの規模の吸血症の浸食は見たことがない。後に役立つことがあるかもしれないので、私の観察をここに記録しておく。自分のためか、私が力尽きた後、戦いを続ける者のために。

1日目
我が獲物の捜索が始まった。喪心の嵐の闇の力が奴をこの地域に惹きつけたに違いない。警戒を怠らぬようにせねばならない。まるであらゆる岩や木陰にあの血に飢えた者が隠れているかのように感じる。危険は承知だが、奴を逃すわけにはいかない。それだけの借りがある。

4日目
最初、グレイホストと名乗ったのは単なる虚栄心だと思っていた。この血に飢えた連中がヴァーカースの群れの恐るべき評判に比肩しうるはずはないと考えたのだ。私は間違っていた。むしろ、過去の脅威を上回るほどだ。圧倒されるのを避けるため、戦略に多少の変更を加える必要に迫られた。恐れてはいない。むしろ望むところだ。獲物に狩られる狩人は、恐怖の味を思い出す。それにより力を限界まで引き出し、感覚を研ぎ澄ませられる。

7日目
この仕事には大変な労力を要する。毎晩落ち着く余裕はなく、現実と想像の悪夢に共に苛まれている。私は狩れる時に狩り、止むを得ない時には眠る。この狩りは軍事作戦のようになった。責任の重さに耐えなければならない。

12日目
グレイホストがまたしても新たな戦略、新たな残虐行為を見せてきた。私はある避難民の集団を追跡していた。群れへ加わりに来た雛たちだと思っていたのだ。彼らは道の脇で泣いている若い女に出くわした。私は剣に手をやり、女を救おうと突進していったが、その途中ではっと立ち止まった。青ざめた顔の子供たちが影の中から姿を現したのだ。孤児の少女とその仲間は避難民たちを惨殺し、その赤い目を私に向けた。やるべきことをやらざるをえなかった。

15日目
疲労が私を捉えつつあるのだろう。タムリエルで最速のガーゴイルに出会ったのか、それとも私の動きが鈍くなっているのか。どちらが真実か、わかるような気がする。私の治癒の技で事足りるはずだ。しかしあれより一瞬でも遅かったら、この文章は片手で書くことになっていた。躊躇はしたが、支援の要請を送った。狩りに決着をつけるため、プライドは脇に置かなければ。これからの仕事には相棒が必要になりそうだ。

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