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書籍

マシアス・ライメントの日記

蒔種の月2日
今日、夢にも思っていなかった瞬間を垣間見ることになった。愛だ。固く禁じられていることもあり、まるで自分が自分じゃないみたいだった。今でも、よくわからない… あれは私の想像の産物だったのだろうか?

蒔種の月10日
まただ、あの理解しにくい感覚。一緒に道を歩いているとき、彼女の手と私の手がぶつかった、それから彼女に触れたいという願望がなかなか消えなかった。これは私の錯覚なのだろうか? 現実であるはずがない。

蒔種の月20日
彼女のことが頭から離れない。彼女のことだけじゃない、私達のこともだ。彼女には求婚者がたくさんいる。私のような者が相手にされるだろうか? この考えは頭から消さなければならない。ほら。もう大丈夫だ。

蒔種の月25日
やっぱりだ。私は最初から心の中では分かっていたんだ。でも、想像していたよりも遥かに素晴らしかった。信じられない。私の想像じゃなかったなんて信じられない。私は世界で一番幸せ者だ。

恵雨の月10日
実感がわいてきた。物理的な引力があり、感情も本物だ。だが私達のロマンスは秘密にしなければならない。それ以上のものを求めたこともあったが、私が幼稚だった。今では理解できる。

恵雨の月25日
私は今の状況を受け入れている。秘密であることが私達の関係をさらに刺激的なものにしているのかもしれない。街の人々だけじゃない、家にいる誰もが、何が起こっているのか知らないのだ。私達はこのままの関係を続けるつもりだ。

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