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マエロロルの年代記

アンセルミルはずっとあのコンストラクトで私を押しつぶそうとしている。普段ならこんなことは気にならないのだが、今はやるべき仕事が多いのでとてもうっとうしく感じる。多分彼女に優しくすべきなのだろう。彼女の熱意は私が一番気に入っている部分でもあるし。だが、すでにオーススウォーンへの侵攻が始まっている。あの育ち過ぎた木で私を殺そうとする暇があるなら、もっと自分の任務に集中してもいいのではないだろうか。

私たちは決して型どおりの組み合わせではない。ほとんどの人は自分のパートナーに命を狙われたら不快に思うだろう。だがアンセルミルの場合は、それが情熱の証だ。彼女は私と私の身に起きることをとても気に掛けている。それに、明確な不快感の伝え方を見つけてくれたことにも本当に感謝している。

アラドロスが私を側に置き、アンセルミルに斧のロッジを任せた理由を私は理解できているか? いや、できていない。それに正直言うと、アンセルミルが私に対してあんなにも厳しい態度をとることにも驚いている。彼女は斧のロッジを試し、我々に加わる価値がある者がいるかどうかを確かめたくてたまらないのだと思っていた。だが違う。アクスボーン・クルガを粉砕するという考えさえ、私の最愛の人を喜ばせることはできなかった。

自分が簡単には殺せない者で本当によかった。

マエロロル

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