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書籍

狂乱のデンシル男爵、パート3

デンシルがそこまで残虐に振る舞った理由を知る者は残っていない。デュフォート家第四代男爵の肖像画も残っていない(八大神を称えよ)。現代に残る報告によれば、彼の眼はウッドエルフのように黒かったが、平たく冷たかったという。

当主となって二年もしない内に富を使い果たしたデンシル男爵は、花嫁の持参金に目を付けた。デュフォートの名は野心的で裕福な商人を引きつける力があり、彼はその長女と結婚を承諾した。デュフォートの称号は多額の持参金で買われた。二人は代理人を通して結婚し、ヘレンナ女男爵はまだ会ったことがなかった夫との結婚のため城へ赴いた。彼女は平凡な容姿と、尋常ならざる知性を有した女性だったという。

城に到着すると、彼女はヨアンナとの会合を強く求めたという。ひどい環境にも関わらず、デンシルの老いた母はまだ塔に住んでいた。デンシルは花嫁を義母になる女性の元へ伴った。そこで何が起こったか、正確に知る者は誰もいない。新しい女男爵は後に、デンシルを見ると彼の母が汚いベッドから飛び上がり、恐ろしい叫び声を挙げたと語っていた。

彼女は常軌を逸した力でデンシルを掴み、自身と残虐な子を塔の窓から共に突き落として死んだ。

ヘレンナ女男爵はナヴィール城へ残った。第五代男爵となったのは、デュフォート家に連なるいとこのシンヴェルだった。1ヶ月もしない内に第五代男爵と女男爵が結婚したことに疑問を持った者は誰もいなかった。

それ以来男爵領は栄え、ランセル戦争の結果公爵領へと昇格した。狂乱の男爵とデュフォート家がどんな呪いを受けたにせよ、その呪いは彼と共に死に絶えたように思える。

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