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書籍

ライカンスロープの耐性

エグザーチ・ウルフラが興味深い課題を提示した。私の錬金術と魔術は、彼女たちの精神を奪えるだろうか? 喪心の嵐はライカンスロープの仲間に影響を与えるように作られたものではないが、グレイホストが最後に征服を目指して出発してから長い年月が経過した。その間に吸血鬼とウェアウルフは四散し、世界中に広がった。彼らの全てが、灰の王に服従するわけではない。今日、ウルフラが捕らえた捕虜も含めて。

反抗的な態度を理由に劣等種を引き裂くことは容易だが、そうする代わりに彼女はより論理的な解剖のため、彼らを私のもとに送って来た。あの野獣のような頭蓋骨の中には、狩人の狡猾さが隠れている。

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捕虜たちは群れの階級を尊重している。間違いなく、自分たちの呪いの源流を反映したものだ。彼らの指導者エジャーを捕らえて人質にすれば、他の者は従順でいる。他のウェアウルフたちに対してわずかな慈悲を示せば、エジャーは自発的に被験者を引き受ける。結局、彼らは恐ろしく単純な獣なのだ。

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研究を完成させるためには乗り越えなければならない障害が数多くあるが、ウェアウルフの驚くべき耐久力は人間の姿でさえ障害を生み出す。見たところ、この被験者に対してネザールートの効果はない。凝縮した状態であってもだ。魂に対する肉体の束縛の力を弱めることが、実験を望ましい結果に着地させるための第一歩となるだろう。

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もっと早く思い至るべきだった。あの獣とオブリビオンのつながりは利用できるものだ。たとえそれが、広大な別の領域に結びついているとしても。そのつながりはムンダスとその上にあるものの溝を橋渡しするために役立つ。そして、あのウェアウルフの血はネザールートに、不死の者が決して複製できない活力を植え付けられる。

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上手くいっている。新たな血の蒸留液を精製するごとにネザールートの混合薬は強力になり、毒性を増している。ウェアウルフは注射の度、苦痛が大きくなる兆候を示している。ただ、唯一の疑問は残っている。儀式で不可避の死を迎える時、魂はうまく交換されるのだろうか。

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