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書籍

高名な探検家の失われた物語:欠片4

ソリス・アデュロ著

ゴボゴボ、ゴボゴボ。

またあの音だ。
マティウスは虚しく松明を振り回した。
息の詰まるようなこの霧の中では、何も見えなかった。
彼は空いているほうの手でマントを引き寄せて口を覆い、洞窟のさらに奥深くへと走った。

ゴボゴボ、ゴボゴボ。

すると、その生物の影が目に入った。
巨大な球根状の影。
それは彼を追いかけていた。
彼は走り続け、息を切らしてあえいだ。

ゴボゴボ、ゴボゴボ。

彼はゲップのような笑い声の反響を耳にした。
自分は頭がおかしくなったに違いない、とマティウスが考えるまで、その音は響き続けた。
その後、彼の足元で、骨のぶつかる音が聞こえた。
霧は晴れ、マティウスは自分があらゆる形と大きさの頭蓋骨を並べた部屋に立っていることに気づいた。
床は何の生物のものかも分からない骨で埋め尽くされていた。
彼は人間を丸呑みし、骨を吐き出す邪悪なボリプラムスのことを思った。
「では、俺もこれでおしまいか」
彼は息を吐き出した。
あのアルゴニアンの嘘を見抜けなかったとは。

ゴボゴボ。

マティウスは部屋の空気が変わったのを感じた。
凄まじい悪臭が彼の鼻を焼いた。

声が響いた。
「また肉を持つ者がヌブタに会いに来たのか?
飲み込まれる前に全て話してしまえ」

薄暗い松明の明かりの下では、不気味な生物の形がかろうじて分かる程度だった。
これはプラムスではないが、吐き気を催させるような湿り気でギラギラしていた。
丸々とした腹に、ナメクジのような潰れた顔を持つ、巨大な蛙の一種だった。
中でも目が一番ひどかった。
マーカスはその目の中に禁じられた知と際限なき恐怖を見た。
この生物が喉を膨らませたので、彼は勇気を振り絞った。
禁じられた知こそ、彼がこんな朽ち果てた場所に来た理由だったのだから。
その獣は喉をゴクリとさせ、突然彼に迫ってきた。
頭がくらくらするような煙が、鼻から噴き出していた。

「黄金の階段への道を探しているんだ」
とマティウスは吐き出すように言った。
自分の声がかすれているのは気に入らなかった。

獣は後退し、息を詰まらせたか、あるいは笑ったようだった。
その後でゲップをしたのがマティウスには分かった。
気絶せんばかりだったが。

「見せてやってもいい」とナメクジ生物は鳴いた。
「対価を払えばな」

「もちろんだ、善良なる泥の王よ」とマティウスは言ったが、言わなければよかったと思った。
こいつがお世辞ごときで満足するはずがない。
実務的に応じたほうがいい。
「その情報の対価とは?」

太った腕がポケットを探った。
マティウスはこの生き物が模様の入った緑と茶色のローブを着ていることにさえ気づいていなかった。
湿ったでこぼこの指が、黄金の装飾用アミュレットにはめ込まれた光輝く黄色の宝石を取り出して示した。
宝石には傷一つなく、まばゆいばかりだったが、マティウスは呪われた遺物や不思議な宝石に関して素人ではなかった。
彼は剣を抜き、待った。
心臓が鳴り響いていたが、恐怖なのか興奮なのか分からなかった。
これは古代アルゴニアの遺物なのか?
獣は笑って、顎をぶんぶんと振った。

アミュレットを角のついた、何だか分からない古代の獣の頭蓋骨にかけてぶらさげると、それは松明の明かりの下できらめいた。
「お前はこれをヌブタのために黄金の都市へと持っていく。それが対価だ」

マティウスは眉にしわを寄せた。
「それで、到着したらこれをどうすればいい?」

「その時になれば分かる」
とヌブタは囁いた。
マティウスはその言葉が彼の耳の中をくすぐる感覚にぞっとした。
「お前が死ぬ直前にな」

一瞬の間、マティウスは怪物の顔が自分の目の前まで来たと思ったが、まばたきをして再び見ると、怪物は動いていなかった。
「道を教えてくれ」
とかろうじて声に出した。

「ここから行くことはできん」
と泥の王は言った。
「お前は水中の根のように深く進まねばならん。
お前の神々さえも見たことのない場所を潜り、探し回り、行き来するのだ」
怪物がゲップをして最後の言葉を発した時、マティウスは何も言えなかった。
「私はお前をクスル・アクシスまでは連れていこう」

マティウスは悪臭に逆らって呼吸し、剣を収めた。
足を踏み出して黄金のアミュレットを拾い上げると、ぬくもりを感じた。
「死ぬつもりはない」
と彼は言い、アミュレットを荷袋に滑り込ませた。
「そのことで気を悪くしないでほしいが」

怪物のゲップのような笑い声が響き渡り、それが消えた時、マティウスは一人で立ち尽くしていた。
松明の明かりが燃え尽きかけていた。

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