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書籍

ヴィグロッドへの手紙

愛しきヴィグロッド、

今回の昇進の話を聞いて、みんな喜んでるよ! 父さんはもちろん今でもお前が農場に残ってくれればよかったと言ってるけど、あの人も密かに息子が同胞団にいることを誇りに思ってる。でも私がそう言ったことは内緒にして。

昨日、かわいいグリルダが家に立ち寄った。彼女の父親のところから、鹿肉と4つ目のグロッグを持ってきてくれた。父さんがグロッグに目がないのを知ってるのね。それに父さんは腰を痛めて以来狩りができないから、鹿肉は大歓迎。

あの子は近いうちにきっと誰かのいい夫人になる。少し積極的になってあの子と話せば、それはお前かも知れない。顔はかわいらしいし、腰もいいし、相続する農場もいいし、全て考慮するとなかなかの相手だと思う。でもその話はここまでにしよう。

とにかく、私達の心配はしないで。大丈夫だから。父さんは以前のように農場で働けないけど、手伝いを1人か2人雇おうかと話しているところ。連日連夜、避難民が流れてきてるから、助っ人は簡単に見つかるはず。

これ以上刺されたり、切りつけられたりしないようにね。元からそんなにハンサムじゃなかったんだから。多少の傷なら味が出るけど、ありすぎると見た目が悪くなる。

愛を込めて

母

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