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書籍

マグナスタイラスへの手紙

後任者へ

ふざけるつもりはないが、マグナスタイラスでいるのがどんなものかは個人的な経験から知っている。苦役だ。書記の館の監督という悪夢のような業務をたった一人に任せるとはな。オブリビオンの常に変化する地勢の正確な情報を、館中に行きわたらせる。それを要求される新しい裂け目が開くたび、次元の地図は更新されなければならない。そして古い地図は蔵書庫の棚から保管庫へ移されなければならない。書物は検証済みでありながらも偏見に影響されていてはならない。これらすべてがモラの書記を導く仕事の最上位か? 新たな書記が足りなかったらどうする? ああ、そして何人がオブリビオンで消えた? 何人が旅で命を落とす? これは罰だ。間違いない。私は何やら恐ろしい間違いを犯し、ハルマエス・モラは自分の過ちを教えるためにこの肩書を私に与えたのだ。

この肩書にも一ついいことがある。マグナスタイラスの書斎だ。この忌むべき館で唯一のんびりと読書ができる場所だ。おそらくは、私が書記に加わるに至った原因となる書物の数々を。自分だけの部屋だ。そして、誰も遍歴の杖に触れない唯一の部屋でもある。

私は次元への小旅行以外の杖の持ち出しは好まないが、過去のマグナスタイラスには地位の象徴としてどこでも携帯する者もいた。杖は書記の仕事に大げさすぎると思う。私がこの杖を使うと、杖自身が力を持っているように感じる時がある。虚無を通じて呼びかけ、答えを得る力だ。できれば、それについて考えたくない。

おお、そうだ、最後に記そう。宝物庫へ入ろうとするな。レインファーが許さないだろう。君があのカートクレプトの始末を手伝えば別だが、それは何かなどと聞かないでくれ。私はただレインファーに手伝うとだけ言って立ち去った者なのだ。レインファーが宝物庫の番人ではなくなっていたとしても、後継者のことを検討するには及ばない。おそらくレインファーが自分と似たような者を選び、宝物庫を監視させるだろう。

心配するな。君ならうまくやれるはずだ。

マグナスタイラス・ロウレナ・ブランク

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