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書籍

カソリンウェへの手紙

カソリンウェ、

また君の友人であるマニマルコと、昨日不快な出会いをしてしまった。前にも言ったかどうか分からないが、遺物マスターは私を宝物庫の納品監視係に任命した。簡単な仕事だ。爆発する可能性のある試薬や不安定な遺物を分類するだけだ。

大部分の見習いは小包を1つか2つ持ってきた。だがマニマルコは謎めいた錬金術の溶剤の入った、印のつけられていない木箱や樽などを何十個も持ってきた。彼の経歴を考え、ある程度は大目に見るつもりだった。だがあれだけの量の材料となると… 何も言わないわけにはいかないだろう?

私はとても丁重に、最新の納品物の中身は何かと尋ねた。彼は私を見もしなかった。ただ「お前の興味を引くものではない」とだけ言った。私は食い下がった。紳士的にだぞ! もう一度聞くと、彼はあの冷たい目を私に向けて、ウブリヴェイ神秘学の失われた言語で何か囁いた。あの時、私は彼が「もう一度聞いたら、お前は後悔を知る」と言ったように思った。だがいくらか不愉快な回想をすると、おそらく彼は「もう一度聞いたら、お前は殺しを知る」と言ったんだと思う。よくある間違いだ。2つの言葉はよく似ている。だが君には言っておくが、あれは間違いじゃなかったと思う。彼は私が言語学者だと知っている。自分が言っていることはちゃんと理解していたはずだ。今でさえ、考えただけで背筋がぞっとするよ。あのエルフはどこかまともじゃない。私には分かる。お願いだから、気をつけてくれ。

古き習わしが君を導くように
ルリナリオン

追伸――あの男が運んでいく時、木箱はカタカタと虚ろな音を立てていた。私の推測だと、あの木箱には乾燥させた木か、あるいは骨が入っていたんだと思う。どっちの可能性が高いか、君にも予想が付くだろう。

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