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書籍

ラリデイルモは正気だ

この者がこれらを集めた。ラリデイルモだ。他の奴、闇の中の影ではない。ラリデイルモがやったのだ。証拠だ、と沈黙の中で叫ぶ。他の皆がおかしくなっている証拠だ。この者だけが正気なのだ。誰もが不可能だと言ったが、この者は正気を保った。そうだ、自分の名前だって憶えている。他の者たちにはできなかった。彼らのメモは暗い、文字の海の中に散らばっている。それらすべてを探すのがこの者の運命だ。メモを読むべきなのはわかっている。ラリデイルモはアポクリファに勝ったのだ。

* * *
インクは血、紙は皮膚。我々は本だ。そのことは知られている。

* * *
前に聞いた。ターラーシルとヒルゴットは聞かなかったが、私は聞いた。喚き声。近づいている。わかるんだ。彼らに見せてやる。あの濡れたジュルジュル言う音がこっちに来る前に。そうするしかない。あれを止める唯一の方法は、聞くことだ。

* * *
本があった。書架のすぐ次の列の先にあると思ったから、グループを離れた。今や本も、仲間たちの姿も見当たらない。書架は私の周りを移動して、私の視界の隅を動き回っている。何かがあれを操作して、私が道を見つけられないようにしているんだ。書架を見たが、古い地図ばかりだ。私をここに閉じ込めているものが何か知らないが、残忍なユーモアを持っているに違いない。だが、地図の端をつなぎ合わせることで、線ができることがわかった。アポクリファの暗い広間の中を導く光だ。書架を動かす怪物よ、お前を出し抜いたぞ! この区画から抜け出す道を見つけ、私が本来いるべき歴史書架に戻ってやる。見ていろ!

* * *
精神が抑えられない。喉のない声。心臓がガラスの胸の中で脈打っている。壊れていて、破れていて、引き裂かれているのに、まだ完全無欠だ。床に飛び散っている。海に滑り落ちたのに、乾いたままだ。

* * *
そう、彼は私を選んだ。彼は望まない者をここに留めておかない。私は気に入られた。祝福されたのだ。この書架を歩き、彼の名において管理する信用を得た。感じる。私の皮膚の下から生えてくる触手を。それを外に出させる方法を見つけなくては。私はシーカー。知識を探す者、侵入者を探す者。私はこの場所を清潔に保つ。

* * *
あれが囁くのを止めない。本が。大声ではない。表紙を通して聞こえるくぐもった声だ。だがあの声は、いつも聞こえる。話している。私に何か言っている。嘘をついている。本が嘘をつく!

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