スポンサーリンク
書籍

カジートの敬称

サルモールの南西エルスウェア代表
トルヴァルのレディ・ラドゥッラ・ドラ著

タニオン校長に会ったことがおありだろうか? 最も礼儀正しく正確なエルフだが、私にふさわしい「ドラ」の代わりに、最も不適切な接尾辞を私の名前につけたと知らせたとき、驚きの表情を浮かべた。(これ以上彼に恥をかかせないためにここで詳細を述べるのはやめておくが… いつか私がトーニーポートワインを2杯ほど飲んだ後にでも尋ねていただきたい)

という訳で、もっとも一般的な――少なくとも妥当な――カジートの称号のリストをまとめるのはアルドメリ礼節学校の利益にとって、そしてサマーセットとヴァレンウッドから来た私達の新たな盟友にとって得策だと思われる。

女性の敬称

「…ドラ」とは、その知恵と機知において知られた者への敬意か、または高齢に達した女性への労いを表す称号。私の場合は、前者の条件が当てはまっていると思いたい。

「…ダロ」は、小さな装飾品や、ばらけた小銭といったきっちり管理されてない物の素早い取り扱いに優れた者に対するもの。これはよく舌が回る者に対して使われることもある。

「…ド」は戦士として名声を得た者――普通は男性だが、まれに女性であることもある(個人的見解だが、ほとんどない)。

「…コ」は尊敬されている治癒師、魔術師、そして学者の称号で、時々は知識豊富な先祖に対しても付けられる。きっと、この者が死んだら子供達が彼女を「ラドゥッラ・コ」と呼ぶのよね? …なんだか心温まるわね。

「…ラ」は、未婚の優美な乙女、またはそうであるかのように振舞う人々に使われる、それはそれははかない称号。この者も「ラドゥッラ・ラ」であった時のことを懐かしく思い出すわ。ほんの去年のことよ。違った?

「…マ」は男女どちらでも小さい子供に対して使う、愛情を込めた呼称。その子がわめいたりうなったりしてる時を除いてね。

男性の敬称

「…ダー」はおそらくすべてのカジートの称号の中でもっとも古くからあるもので、指先と頭の回転がすばやく、探究心があって貪欲な者が得られる呼称。これは時々政治家にも使われると聞いたことがあるけど、そのような使い方は間違いなく滑稽よ(私はこんな使い方しませんよ!)。

「…ド」は戦場や個人的な決闘で栄誉を獲得した者に対する敬称。その名誉を与える者を待たず、自分で自分にその敬称を当てはめて気取って歩いているライオンには気をつけて。

「…ドロ」は知恵ある年長者、族長、祖父達、それに市場で人の前をものすごくゆっくり歩く人達に適用される称号。

「…ジョ」は詐欺師やいかさま師にもよく使われているが、尊敬される医者、学者、それに魔術師に対する敬称よ。私に1連の「魔法の」真珠を売りたがったコリンセのハンサムな黒ヒョウのことを思い出すけど… この話はまた別の機会に。

「…ラ」は軍人、商業、統治における敬われる指導者に対するもの。「猫・ラ」はしばしば「子猫・ラス」のハーレムを持ち、時にそれを誇示する。特に、もし彼が短い尻尾という欠陥をそれで埋め合わせている場合は。

「…リ」はめったに与えられない。我が同胞の偉大な指導者、伝えし者、王、そしてたてがみが確保しているから。それに多分、枕に囲まれて格闘している最中の男らしい恋人もそう呼ばれる、らしいって聞いたことがあるわ。

アラバスターの流行に敏感な若者の間では、敬称を名前の後でなく前につけるのが流行りだとも聞いた。ラドゥッラ・ドラはファッショナブルでありたいとは思うけど、それはカジートの名前をあまりにも似た感じにしてしまう傾向があるので、彼女としては認められない。それではつまらないだろうし… 誰だってつまらない人になりたくはない。そうよね?

コメント

スポンサーリンク