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ツォナ・エイの日記 パート4

パート4

巨大な渦巻きの中に滑り込みながら、自分も仲間も二度とオルテン・コリモントを見ることはないんだなと考えてたのを覚えている。ある意味では正しかったが、予想とは違っていた。実際はもっとひどかった。

大渦巻きの下にある脈打つ青い光に吸い込まれながら、鱗の上を水が激しく流れるのを感じた。海に飲み込まれようという時に、下で冷たい強風が発生した。もう沈んでいるのではなく、落ちていた! 甲板にしがみつきながら見えたのは、渦巻く水の壁ではなく、暗くて何かに取りつかれたような空と、冷たく静まりかえった果てしない大地だった。そしてそれは、落下する自分達に猛スピードで迫っていた。

気を失い、甲板の上で目を覚ました。船長が大きな獣みたいなものと話しているのが見えたのを覚えてる。その獣は船長に何かを渡し、そこでまた気を失った。

目覚めると、変身していた。鱗と肌がなくなり、骨だけになっていた。船長は提督になっていて、彼の指示には絶対服従だった。空からはもっと船が落ちてきて、失われた船団は大きくなった。時代を元に戻し、トンネルを掘り、船のがれきから街を築いたのは、すべて提督の命令によるものだった。

彼のことを皆嫌っているが、逆らうことはできない。彼がかぶっている王冠のせいだ。いつの日か誰か提督に抵抗できる者が、この日記を見つけてくれることを願う。この日記と、ページの中に隠した鍵を。

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